ベランダに200万円の札束

 金に関しては、だらしない面もあり、前出の事情を知る男性は、

「販売店の締め日が毎月5日で、毎回ギリギリだったそうです。集金したお金を使い込んでいたのではないかという話です。

 遺体を遺棄したとされる前日も5日の締め日で、なかなか入金がなかった。会社が午後4時ごろに連絡すると、すぐに納めに行くって連絡があって、結局、入金されたのは6時ごろ。新聞の集金は、年金生活者もいて、支払いが遅れることもあるため、配達員が立て替えることもあるそうです。お金が足りなければクビですから、神さんに借りに行ってたのではということですが……」

 と内情を明かす。そして、

「連絡のなかった2時間あまりの間、容疑者は“事故に遭った”と会社に説明をしていたというが、そんな事実はなかったそうです」とも。

最上階にある山本容疑者の自宅マンションのベランダからは、神さんの家から盗んだとされる、札束200万円が発見された
最上階にある山本容疑者の自宅マンションのベランダからは、神さんの家から盗んだとされる、札束200万円が発見された
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 民放報道局記者が話す。

「神さんの部屋には当時、大手メーカーに勤務し今春、退職した男性の退職金の一部が現金として置かれていました。山本容疑者死体遺棄の容疑は認めていますが、殺人については“お金を借りに行ったら死んでいた”と供述し、否認しています。

 数年前から神さんに無心し、消費者金融にも借金をしていたようです。容疑者の自宅マンションのベランダの室外機の下から、帯封のついた200万円の札束が見つかっています」

 もし供述どおり、義母が死んでいたのなら死体を遺棄する必要はなく、通報すればいいだけのこと。山本容疑者はわざわざ車で遺体を運び、

「遺棄に使用したブルーシートとスコップは職場に隠していた」(同・民放報道局記者)

 11月27日、山本容疑者は静岡地検に送検された。捜査当局は引き続き、神さんの死が自然死だったのか殺害だったのかを調べている。

 前出の元同僚は、

「本人が否認しているように本当に殺してないと思いたいのですが、神さんが死んでいたというのなら、なんで通報しなかったのか……」

 と腑に落ちない様子だ。

 夫が加害者で母親が被害者になった妻は幼子を抱え、今どうしているのか。