本好きのコミュニケーションが生まれる「ビブリオバトル」

 近年、図書館や学校などで「ビブリオバトル開催」などと書かれたポスターを目にした人も多いのでは? ビブリオバトルとは、お気に入りの本を紹介しあう“知的書評合戦”。やり方は簡単で、以下の公式ルールを守ればいい。

■ビブリオバトル公式ルール解説
(1)発表参加者が、読んでおもしろいと思った本を持って集まる。
(2)順番に、1人5分で本を紹介する。
(3)それぞれの発表の後に、参加者全員で、その発表に関するディスカッションを2〜3分行う。
(4)すべての発表が終了したあとに「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を、参加者全員1票で行い、最多票を集めたものを“チャンプ本”とする。

 2007年、谷口忠大さん(現・立命館大学教授)が京都大学の研究室で始めたのが最初。その後、各地に広がり、’10年にはビブリオバトル普及委員会が発足。大学生・大学院生を対象にした『全国大学ビブリオバトル』が毎年、開催されるようになった。また、中学生・高校生を対象とするビブリオバトルも行われている。

ビブリオバトルの様子

 カフェや古民家を会場にしたり、“猫” “戦国”などのテーマを設定して行うことも。発表方法も本の内容を丁寧に説明する、自分が感銘を受けたポイントに絞って話すなどさまざまだ。

「ビブリオバトルに参加することで本の読み方が変わった、自分の好きな本をあらためて知るきっかけになったという声が多いです」

 と話すのは、有隣堂店舗運営部の市川紀子さん。有隣堂では’13年から神奈川や東京の各店舗を会場に、月1回のペースで『ビブリオバトルin有隣堂』を開催。これまでに通算70回以上行われており、その普及活動の功績を称(たた)える『Bibliobattle of the Year2017』で大賞を受賞した。

「続けていくうちに、次第に参加者が増えてきました。昨年は14回開催し、108冊が紹介されました。幅広いジャンルの本が取り上げられています」(市川さん、以下同)

 開催時には紹介された本を販売するが、かならずしも“チャンプ本”がいちばん売れるとは限らないのがおもしろいと市川さん。書店でビブリオバトルを行うことで、新刊ではない既刊やマイナーな本の掘り起こしができ、店に足を運んでもらうきっかけにもなる。

「絶版本・品切れ本を紹介するビブリオバトルを開催して、そこから復刊につながるというようなことができるといいですね」

横浜の雑誌『はま太郎』とコラボで「酒の肴に読みたい本」をテーマに

 自治体や図書館、学校と連携してビブリオバトルを行うこともある。

「ですから、これまでに100回以上、司会をしていますね。開催組織や会場、参加者によって雰囲気が変わってきます。そのなかで発表者に自由に話してもらうように心がけています」

 ただ、いかにうまく話すかよりも、本を紹介することで人と人とのコミュニケーションが生まれることが大切だ。ビブリオバトルの本当の目的は「本を通して人を知る、人を通して本を知る」ことにあるからだ。

 ルールを守れば誰でも開催できるこのイベント。あなたも参加したり、企画したりしてみては?