ひとり暮らしなら、部屋がどれだけ散らかっていても本人がよければそれでよし。気を遣う必要はない。しかし、同居する家族がいれば話は違う。わずらわしさを感じるときもある。それが「おひとりさま」の満足度の高さにつながっていると、辻川医師は分析する。

幸せな老後を迎えるために

 そうはいっても、老後にひとりでは寂しいのでは? アンケートでも、確かに孤独感が浮き彫りになった。だが、“家の前のスナックにおしゃべりに行く”“ビジネスホテルの宿泊代が安くなる盆正月には旅行へ”など、自分なりの対処法を発見するものだという。

「驚いたのは、病気などで身体が弱ってきていても、“それでもひとり暮らしのほうがいい”と答えている点。これは本当に意外でした」(辻川医師、以下同)

 ちなみに、この結果には男女差や経済力による差は、ほとんど見られなかった。

 年を重ねてからのおひとりさま生活をよりよいものにするには、どうしたらいいだろうか?

「元気なうちは好きなことをやって自分でなんでも取り組む意識を持ち続けると身体と脳の衰えを防ぎ、ひとりで暮らせる時間を長くすることにつながります」

 さらに同居では、家族に気を遣いすぎることなく自由に振る舞えるかが大きなポイント。元気なうちから、気ままに行動できる下地作りをしておくべきだと指摘する。

「カギを握るのは晩ご飯作り。日本女性は食事の準備に時間をかけすぎです。老後もそれを要求されたら、そら、しんどいですわ。若いうちから、夫をドイツ人のようになるよう教育しましょう。彼らの晩ご飯はパン、チーズ、ソーセージといったもので火を使わない。ご家族にも、スーパーのお惣菜などいまから中食料理に慣れてもらってください」

 “この部屋は私が自由にできるスペース”と、家庭内をテリトリー分けするのもおすすめだ。

 幸せな老後を迎えるためには、「いまから夫婦ともに、老後の自由気ままさを確保してください」

<取材・文/千羽ひとみ>