女性は25歳がボーダーライン

 20代の女優が女子高生役に選ばれるのには、こんな理由があるのだとも。

特に映画では性表現やバイオレンスが絡むことが多いので、未成年に演じさせるのは問題になりやすく、規制もきびしいのではないでしょうか。そういう意味では、年上のほうがキャスティングしやすく、本人も演じやすいのかもしれません。これは今に始まったことではなく、高校生役ではなくとも、妙齢の女性が10代、20代の女性を演じることは多々ありました」(成馬氏)

 '06年のアメリカ映画『バベル』では、当時25歳だった菊地凛子が女子高生の“濡れ場”を披露した。その演技が評価されて本場『アカデミー賞』で『助演女優賞』にノミネートされる快挙を成し遂げたのだが、たしかに実年齢にはハードルが高い役柄ではあった。とはいえ、

「ホラーやバイオレンス系はともかく、桐谷美玲の『ヒロイン失格』や、山本美月の『ピーチガール』など、高校生の日常生活を軸にした作品となると、20代半ばの女優は途端に減っていきます。同性の目はきびしいですし、25歳がボーダーラインともいえますね」(芸能プロ関係者)

 そんな概念をも吹き飛ばして、近年では最高齢となる33歳で高校生になったのが山田孝之だ。15分の短編ファンタジー映画『パラレルワールド』では、小栗の『信長協奏曲』や、鈴木亮平の映画『俺物語!!』のキャラクター系主人公とは異なり、高校生として制服に身を包んだ。

「何をやっても“おもしろくする”特殊な俳優で、もはや年齢などは関係なくなりつつあるのかなと思います。昔は美少年役が多かったのがコワモテ路線を確立、最近ではつかみどころのないキャラクターになってしまいました。もう何をやっても“山田孝之ならしょうがないか”みたいな雰囲気になっていますよね」(成馬氏)

窪田正孝

 確かな演技力と存在感をもってすれば、40歳でもなりきれそうだ。そんな山田は“別枠”だとして、成馬氏が気になる“大人高校生”は?

窪田正孝さんですね。この方は10代から演じてきた初期よりも、今は熟練されてきて高校生の生々しさというのが際立っています。さすがに顔は大人っぽくなりましたが、それでもあと2年、30歳まではやれるのではないかと思います。変な話ですが、もはや“プロの高校生”と言えますね。俳優として圧倒的にうまいからこそ、違和感なく高校生になれるのだと思います

 そう、オファーが来るのは客寄せのためだけではない。“大人高校生”とは演技力が認められた勲章なのだ。