婚活男は女性の喜ばせ方を知らない

 誕生日にファミレスに連れて行かれた、桂子さんは言います。

「お見合い市場にいる男性って、恋愛をしないままに年を取ってしまった人が多いんですよ。だから、会話も下手だし女性の喜ばせ方を知らない」

 初めてのデートで、新橋の居酒屋に連れて行かれた、美由紀さんもいいます。

「予約をしておいてくれた恩田さんは、まだいいですよ。待ち合わせしたのはいいけれど、行く店を決めていない男性もいて、『どうしますか?』『知ってるお店はありますか?』と、街中を歩き回ったこともありました」

 確かに婚活市場にいる男性は、女性慣れしていない。その通りだと思います。でも、この2つのデートが学生時代や20代前半のことで、お相手が気心知れた同級生や会社の同僚だったら、女性たちも、「あのね、誕生日にファミレスはナシでしょ」や、「パーテーションは個室と言わないよ」と、遠慮なく言えたはずです。

 また男性たちも、そうやって女性に教育されながら、フラれながら、“あ、記念日にファミレスはダメなんだ”とか、“パーテーションの仕切りは個室扱いじゃないんだ”と学び、女性が喜ぶレストランを検索したり、楽しいデートコースを研究したりするようになったでしょう。

 ただ、そうやって学生時代や社会に出てから、恋愛をしていた男性たちは、もう結婚しています。すでによその女性のものです。

 結婚平均年齢をご存知ですか? 男性が31.1歳、女性が29.4歳(2015年、厚生労働省調べ)。女性に積極的にアプローチできる気の利いた男性は、20代で結婚相手を見つけ、30代でファミリーを築いているのです。

 前出2人の男性は、女性と付き合った経験が少ない(もしくはない)から、女性が喜ぶデートのやり方を知らない。ただ知らないだけなんですね。ならば女性側が教えてあげたらどうでしょうか。

 “誕生日のお祝いをしてあげよう”“ゆっくり話せるように個室を取ろう”と思った気持ちは、男性側のやさしさです。その男性のやさしさを上手く育ててこそ、いい関係が育めるのが30代、40代の恋愛です。

 逆を返せば、女性のエスコートが完璧で、金払いもいい。そんな男性が30代後半、40代、50代で独身というのは、何かがある! 結婚していない理由が、そこに存在しているのですよ。女性と遊ぶのは好きだけれど、結婚に縛られるのがいやな独身主義者なのかもしれないし、実は結婚しているのに、独身を装っている偽独身かもしれません。

 30代、40代の婚活女性たちは、原石を磨く研磨職人になる覚悟で、婚活に臨んでみてはいかがでしょうか?


鎌田れい(かまた・れい)◎婚活ライター・仲人 雑誌や書籍などでライターとして活躍していた経験から、婚活事業に興味を持つ。生涯未婚率の低下と少子化の防止をテーマに、婚活ナビ・恋愛指南・結婚相談など幅広く活躍中。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイト『最短結婚ナビ』http://www.saitankekkon.jp/