それまで見えなかった敵が、実は自分の記憶にあったのだと気づき、腑に落ちるのかもしれません。あくまで1つのサンプルであって、これがあなたの食欲に当てはまるかはわかりません。車は急には止まれないように、食欲も急には止まりません。

 でも、食に染みついた負の感情の穴を埋めるのが食であるなら、あなたを満たし落ち着かせるのもまた食なのです。

健康にとらわれすぎると危険

 ○○が脳にいい。××が美肌をつくる。アメリカから来た奇跡のスーパーフード、ほにゃらら……。空前の健康ブームで、毎日のように「体にいい食べ物」情報が流されています。

当記事は「BUSINESSLIFE」(運営:ビジネスライフ)の提供記事です

 その情報は、乱れがちな現代人の食生活を整えるのにとても有効です。しかし、場合によっては、その健康情報こそが私たちの心を不健康にする可能性があるということを知っていましたか?

 「オルトレキシア」、この名前を聞いたことがありますか? 日本語訳はまだ確立されていませんが、「不健康食拒食症」とも呼ばれています。これは、健康的な食事を知れば知るほど食事ができなくなってしまう症状です。

 どういうことか?オルトレキシアの語源はギリシャ語です。

 それぞれ「オルト = 正しい」、「オレキス = 食欲」の意味を表していて、全体としては「正しい食欲」という意味になります。「正しい食欲なら問題ないじゃない?」そう思われるかもしれませんが、いえいえ、「正しい食欲」にも問題があるのです。

 それは「異常なまでに食べ物の質にこだわる」という点です。通常は「やせる」ことが基準になるので「量」にこだわることが多いのですが、オルトレキシアの症状をお持ちの方は、体重を落としてやせることよりも、体の中に不健康なものを入れたくないという気持ちが強くなります。

 その結果、異常なまでに健康な食材を食べることにこだわってしまうのです。