その昔、昭和20年代ごろの日本の一般の家には、呼び鈴なるものはなかった。

「玄関を開けて“ごめんください”と訪ねるのが普通でした。お屋敷にしかなかったブザーが一般家庭に普及したのは、1954年から20年余りの高度経済成長期といわれています」(前出・佐伯さん)

 現在のようにコンビニやスーパーがどこにでもある時代ではなかった当時、押し売りの営業品目はゴムひもだったり石けんだったり歯ブラシだったり。玄関に座り込み、相手が買うまでテコでも動かないという“かなり圧の高い訪問販売”が存在していた。

 しかし、時は流れていま、一体、誰が何の目的で、解読可能なバレバレの、なんともアナログな書き込みをしているのか。

犯罪集団の可能性も

 前出・日本訪問販売協会の担当者は、

「訪問販売業者は他社同士で情報共有することはありえないと思いますね。協会も業者さんに聞いてみましたが、“マーキングの意味がわからない”という声はありました。取引先のお客さんの性別や帰宅時間などは、自分でメモを取ればいいだけで、他人に知らせる必要はないんですよ」

 ときっぱり。そのうえで、

「今、マーキングがあるとすれば、犯罪集団かもしれないですね」

 と推理する。前出・佐伯さんの見方も似る。

「空き巣狙いや押し売り訪問販売員の世界にも、ある程度の仲間はいると思われます。お互いさまということで、情報の共有だろうと推測されますね」