学校に行かなくても子どもはちゃんと育つ

「フィンランドでは不登校の子どもたちの居場所が図書館。そこにソーシャルワーカーを配置しサポートしていくんです。日本でも公的な施設に、そういうオプションをつけることで居場所になればいい」

 そう話すのは、学校外で子どもを多様な学びや遊びとつなげるプロジェクト『多様な学びプロジェクト』代表の生駒知里さん(40)だ。当初の勢いを失った公共施設の消極姿勢に理解を示し、

「日本の社会全体が、学校以外の選択肢をオーケーとしてないと思うんです。公にオーケーと言うと、叩かれてしまう雰囲気があるため発信をためらう。ポツポツと出てきてはいますが、まだ少数派です」

 生駒さんは小6の長男を筆頭に6人の子どもを育てているが、

「上3人は不登校です。次男と三男は週に1~3日ほど行ったりするので、わが家ではハイブリッドスクーラーと呼んでいます」

 と明るく受け止める。

 最初は子どもの不登校に悩み、夫婦仲も悪化したという。

「同じように悩んでいる親や子どもたちを支援できないかと思い始めました」

 昨春から始めたのが、自宅以外で気軽に子どもが立ち寄れる場所を作る事業=『多様な学びプロジェクト』だ。

「園庭を開放している保育園やフリースクール、工作クラブなど、大人が出入りする場所にステッカーを貼ってもらっています。神奈川県川崎市内を中心に30か所あります」

工作クラブの入り口にはステッカーが

 そして、もうひとつ。

「プロフェッショナルな先生に来ていただいて、体験しながら学ぶ場を作っています。農園での収穫体験やアート作品作り、スマホアプリのプログラミングを学んだり。自宅で基礎学習の時間を取れば、楽しく地域で学ぶ方法はいくらでもあるんです。うちのように学校に行かなくても子どもはちゃんと育つんです」

 趣旨に賛同しステッカーを貼っている川崎市内の工作クラブの店主(67)は、

「多様化している世の中ですので、いろいろな学びがあっていいと思うんです。学校や家庭以外の選択肢が子どもに与えられるべきだと思います」

 と参加する喜びを語った。