赤松優子さん(左)と山口聡子さん(右)
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大鵬の孫、朝青龍の甥も

「社会人相撲で鳴らす和歌山県庁の方々、アイシン軽金属の黒川さん、静岡県の飛龍高校のみんな……乙亥大相撲を盛り上げてきた大勢のアマチュア力士が被災後、ボランティアに駆けつけてくれました。でも、町はまだ復興には時間がかかります。みなさんのお力添えをいただければ!」(山口さん)

「今年は大相撲から勢関がいらっしゃる予定です。さらに幕下で人気の大鵬の孫の納谷さん、横綱朝青龍の甥っ子の豊昇龍さんも参加予定です。

 去年の愛媛国体で、野村高校3年でその2人(納谷と豊昇龍)と準決勝、決勝で戦った住木くんとの再戦も見られるのが地元では話題、楽しみです。プロ対アマは、ここでしか見られませんから!」(赤松さん)

 今年の乙亥大相撲は、水没した乙亥会館ではなく、近くの公民館を中心に行われる予定だ。開催は11月27日。通常の2日間から1日に短縮。入場無料とした(問:西予市観光協会野村支部 TEL 0894-72-1115)。

「かつて願相撲として始まった乙亥大相撲だからこそ、167回目の今年も絶対に開きたい! と思っています。戦時中にもこの相撲大会は開かれていました。これができないと、町民は本当にがっかりしてしまいます」(山口)

 乙亥大相撲開催、町を復興させるためのクラウドファンディングは10月19日まで続けられている(https://faavo.jp/ehime/project/3077)。ご支援、ぜひお願いしたい。

 ちなみに今までで一番の思い出といえば?

「関取が子ども達の御神輿といっしょに練り歩きしてくれるんですが、稀勢の里が来たときに握手してもらったこと……も思い出深いし、ほぼ毎年来てくれている玉鷲がうちの娘が出し物で太鼓を叩くときに髪の毛をアップにしてたら『キメてきたねぇ』ってホメてくれたり、ああ、思い出がいっぱいです。

 でも一番といったら、私が中学生の頃に曙が来て、宿舎の旅館に彼が1人で戻ろうとしたのを後ろから追っかけて行ったんです。そうしたら、ぽ~んと草履と浴衣を包んだのを渡されて、それを持って追いかけ旅館に着いたら『中学生だろ? 今日学校は?』って言われて、『今日は休み~~!』って叫んで返して。

 あぁ、いい思い出です。曙さんとは家族みんなと写真も撮ったんですが、そのときにお婆ちゃんの手を取って『おばあちゃん、元気でいてね』って。本当にステキな人でした」(赤松さん)

 相撲の里・野村町。そこで167年続いてきた乙亥大相撲。これは絶やしちゃいけないですよっ!


和田靜香(わだ・しずか)◎音楽/スー女コラムニスト。作詞家の湯川れい子のアシスタントを経てフリーの音楽ライターに。趣味の大相撲観戦やアルバイト迷走人生などに関するエッセイも多い。主な著書に『ワガママな病人vsつかえない医者』(文春文庫)、『おでんの汁にウツを沈めて〜44歳恐る恐るコンビニ店員デビュー』(幻冬舎文庫)、『東京ロック・バー物語』『スー女のみかた』(シンコーミュージック・エンタテインメント)がある。ちなみに四股名は「和田翔龍(わだしょうりゅう)」。尊敬する“相撲の親方”である、元関脇・若翔洋さんから一文字もらった。