「今、コンビニスイーツって充実してますよね。季節によってイチゴや栗を使った新作が出るし。あと最近のコンビニは、イートインコーナーを店の一角に設けているところが多いでしょう? 私は、コンビニ巡りが好きなんですよ」

 食べ歩きが、コンビニ巡り? びっくりしている照美さんに、トドメの一言がきました。

「コンビニのコーヒーは、一杯100円。この喫茶店の800円のコーヒーより、ずっと美味しいですよ」

 さらに話をしていくうちに、賢治さんの趣味は貯金だということもわかりました。

「ただ、私は使うところには使いますよ。年に1回は海外旅行に行きますしね。海外に行っても、スーパーやコンビニ巡りが好きで。

 土産物屋は、観光客相手だからなんでも高いけれど、地元の人が使うスーパーやコンビニは地場価格。日本では見かけないような、その土地の珍しいものが売っていて面白いですよね」

 このお見合いを終え、照美さんは賢治さんに、“交際不成立”を出しました。そして、私にはこんなことを言ってきました。

「ケチと倹約の境目って、どこなんでしょうか? コンビニスイーツは確かに美味しいです。でも、食べ歩きをコンビニのイートイン巡りだと堂々と言ってしまう感覚が私とは合わないと気がしました。

 私はそんなに高いお給料をもらっているわけではないけれど、たまには贅沢して話題になっているお店のインスタ映えするような人気スイーツも食べてみたい。海外旅行に出かけたら奮発して、ちょっと高いレストランにも行きたいです」

 お金をどう使うか。

 カップル間における金銭感覚の違いは、いつも問題となるところです。結婚を前提とした“真剣交際”に入った時に、金銭感覚が合わず “交際終了”になってしまうカップルもいるくらいです。

 お金は“身の丈”を考えて使いながらも、倹約と贅沢のメリハリをきかせることが大事ではないでしょうか。


鎌田れい(かまた・れい)◎婚活ライター・仲人 雑誌や書籍などでライターとして活躍していた経験から、婚活事業に興味を持つ。生涯未婚率の低下と少子化の防止をテーマに、婚活ナビ・恋愛指南・結婚相談など幅広く活躍中。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイト『最短結婚ナビ』http://www.saitankekkon.jp/