開き直ったときの女性は強いと思う

─ドラマで火花を散らす感想は?

水野 木村さんを憎みづらいのが、悩みです。

木村 あまり深く考えてなくて(笑)セリフを覚えてハードなスケジュールで、ケガがないようにとか。限られた時間の中で共演者、スタッフと楽しくお仕事ができればいいなと思います。ある期間を家族よりも子どもよりも一緒に過ごす時間が長いわけですから、みなさんの大事な時間を割くので、素敵でやってよかった楽しかったと思える、いい時間になればと思います。

水野 私もこの年齢になると、自分はこういう芝居をしたい、こうやりたいというより調和。監督の演出を素直に受け止め、相手とのやりとりを楽しみ、この場がうまく進んで、とにかく作品がいいものになるようにしたいと思いますね。

木村 連城三紀彦さんの原作がしっかりしていて面白く、その上下巻を7話に凝縮しているので、ドロドロ度がもっとドロドロになっている。

水野 展開も早いし、ちょっと文学的なセリフを楽しんでいますね。

(妻と愛人が)ビジネスモデルパートナーになっていき、借りを作る、貸しを作る。女性同士の仁義みたいな感覚がカッコいいし、粋な女たちを描いていると思うんです。

木村 普通の主婦が激変しますが、開き直ったときの女性は強いと思います。プライドも何もかもかなぐり捨てたときの女性の底力は強いと思います。