シギョン「うーん、僕は、本当の男らしさ、というか、人間の魅力って、“俺についてこい”というようなものではないと思っているんですよ。

 例えば、この前韓国で番組収録の時に、高いヒールを履いた女優さんが、足元が悪くて歩きづらそうだったんですよ。心配で見ていたんですが、やっぱり段差でころびそうになってしまった。思わず駆け寄って助けてあげたんですが、そうしたらみんなに“シギョンはプレイボーイだな”とからかわれてしまった。

 プレイボーイって、ひどいですよね。僕は、いばったりする人じゃなくて、他の人をさっと助けることができる人が、いい意味の強い人、優れている人ではないかと思います。ジェントルマンとして、レディを助けてあげる、ということです」

岩井志麻子、ソン・シギョン 撮影/坂本利幸
すべての写真を見る

志麻子「まあ、ほんまに人間ができてますねえ。しかし、“鼓膜彼氏”って名付けた人はすごいですね。夫、ではなく彼氏なのね」

シギョン「光栄です。深夜ラジオのDJをしていたときに付けられたニックネームなのですが、初めて聞いた時は僕もショックでした。聞いたことのない表現ですから」

志麻子「しかし、お店を潰してしまうほどお酒がお好きなのに、なんでそんな美声を保てているのかしらね」

シギョン「韓国人がお酒が強いのは、長い間お酒を飲まないと社会生活が成り立たないことが多かったのもあると思いますね。最近は無理に飲まなくてもよくなってきましたが、目上の人からのお酒は断ってはいけなかったし、お酒を飲んで仲間になれるところがありました」

志麻子「私が初めて韓国に行ったのは、1988年のソウルオリンピックの頃でしたけどね。そのころはソンさんみたいなこんなおしゃれでかっこいい男性はいませんでしたよ!

 男臭い男性ばっかりで、お店で“コンベー(乾杯)”“コンベー”って、何度も何度も乾杯していたのがまず印象に残ったんですよ

シギョン「僕そんなにかっこよくないですよ、今太っているし(笑)。僕のふだんの恰好は“コンベー”“コンベー”言ってた人たちのほうに近いはずです(笑)。

 日本人は乾杯を1度きりですよね。韓国で何度も乾杯をするのは、日本人には不思議に思えるかもしれませんが、文化の表れなんだと思います。

 ひとつの鍋や料理をみんなでつついたり、何度も乾杯して同じ量だけお酒を飲むということで、家族になった、仲間になった、と考える文化があるんです。でも、今はお酒をそこまで(強要)しませんから、安心してください」