岩井志麻子、ソン・シギョン 撮影/坂本利幸
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志麻子「そうなんですよ。だいぶ慣れてきましたけど、韓国人と日本人は、他人との距離の取り方が違いますよね。日本人は仲良くなっても距離を取るけど、韓国の人はぴったりくっつく感じですよね。

 韓国の人って、家族や友達が席を外しているときにその人の携帯が鳴ったら、代わりに電話に出たりするでしょう

シギョン「それは韓国では仲良くなった証拠なんですよ。でも、韓国でもやらない人はいます。

 つき合っている彼女が携帯を触られるのが嫌なのなら、触りません。でも、触られることで仲良くなったと思う人も多いです」

志麻子「日本では、知り合いがいる土地に旅行をしても、その近所に泊まることのほうが多いですけど、韓国はその知り合いの家に泊まるのが普通ですよね。

 前にうちのジョンウオンが、日本に来た友達10人を、わが家にいっぺんに泊めたんですよ! びっくりしたわ! ジョンウオンが言うに、ホテルに泊まるなんて友達じゃない、友達なら一緒にいないといけない、と」

シギョンそれは、韓国特有の“情(ジョン)”という考え方なんですね。これは、日本の“わびさび”みたいに、そこに生まれ育った人ではないとなかなか理解できない感情の1つだと思います。

 それだけでなくて、韓国には“嫌情(ミウンジョン)”という考え方もあって、恋愛みたいな“好き”という気持ちはないのだけど、会いたくなる、会っておかなくてはならない、といった感情もあるんです。こういった“情”は、一度持ったらずっと続くんです。

 だから、韓国人は“熱い”といわれるのかもしれません。岩井さんは、ジョンウオンさんに対して“嫌情”なんじゃないでしょうか」

志麻子「おもしろいですね。初めて知りました。私にとって韓国という国も“嫌情”なのかもしれないです。いろんなアジアの国は純粋に“好き”の気持ちで行くのだけど、韓国はね、いくら男に裏切られても行ってしまうのですよ。

 ジョンウオンはね、私のこと“オンマ(お母さん)”と呼ぶんですよ。昼も夜も。それは何とかしてほしいわー」

シギョン「それは……。ちょっと変ですね……