近年はSNSの充実で、地方からも全国的な人気を獲得するコンテンツが誕生している。これからも確実に地方からスターは生まれ、それらの命は、東京のエンタメ観では見つけられない場所で産声をあげています。そんな輝きや面白さを、いち早く北海道からお届けします(北海道在住フリーライター/乗田綾子)

写真はイメージです

 私事ですが、家のテレビで最近よくAbemaTVを見ています。

 きっかけは居間のテレビを買い替えたこと。今までインターネット接続がしにくい旧型モデルを使用していたわが家は、テレビ放送はテレビで、AbemaTVのようなネット配信はタブレットやスマートフォンでと、放送形態によって視聴する機器がはっきり分かれていました。

 しかし、今回買い替えた最新型のテレビは、ネット接続が簡単にできるのはもちろん、スマートフォンと同じオペレーティングシステムのAndroidを内蔵。

 簡単に言うと、テレビ自体に視聴アプリを直接ダウンロードして、テレビの大きい画面で、AbemaTVなどのネット配信がそのまま見られるようになっているのです。

 他にも現在は、Fire TV StickやChromecastなどの安価で手軽な専用端末も普及しつつあり、どこでも誰でもネット配信がテレビで視聴できる、そんな便利な時代になってきました。

 テレビの買い替え需要を含む東京オリンピックを間近に控え、おそらくこれからもっと加速していくであろう「テレビ放送とネット配信の境がなくなる日本」。

 ですが見慣れた地上波とAbemaTVをリモコン1つで並列に見るようになったことで、少し、気になったこともありました。

ネット配信にはいわゆる“歌番組”がない

 AbemaTVを見ていると、ニュース、バラエティ、ドラマ、スポーツ、アニメ&ゲーム、そして音楽と、専門チャンネルのバリエーションはかなり豊富にそろっています。

 しかしニュースやバラエティなど、多くのジャンルが地上波と同じような形式で番組を制作・放送しているのに対し、音楽はもっぱらミュージックビデオやライブ放映が中心。

 特に地上波で一定の存在感を見せ続けている『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)のようなJ-POPの“歌番組”の存在が、ネット配信ではほぼないに等しいことに気づきました。