20代でスルリと結婚をする人たち

「高学歴の女性ほど、学生時代に結婚相手を見つけないと、結婚が難しくなる」とは、婚活業界でまことしやかにささやかれていることです。

 ことに女医さんは、学生時代にお相手を見つけないと難しい。

 医学部は、卒業までに6年かかります。国家試験を受けて医師免許を取得し、その後2年間は、研修医生活が待っている。総合的な医療に対応できるようになるためのその期間には覚えないといけないことが山積みで、日々が忙しく、恋愛だの結婚だの言っていられなくなります。

 結婚相談所には、女医さんもたくさん登録されていますが、そのほとんどが35歳を超えた方たちです。

 つまり医者として中堅の域に達し、プライベートな時間も昔に比べると持てるようになった。そして、気がつけはもうそこに40歳が見えている。慌ててピンポイントで結婚できる男性を見つけるために、相談所に登録される方が多いのです。

 これもまた仲人をしている経験則から申し上げますと、スペックの高い男性と結婚をしたいなら、既に大学時代から婚活に立ち上がっていないと厳しい。

 先日、面談にいらした桜庭由美さん(28歳、仮名)も、それを痛感していました。由美さんは、お嬢様学校で名高い女子大を卒業後に、有名商社に就職しました。

「会社に入ってみたら、いいなと思う同期や素敵な先輩みなさんに、結婚を前提につきあっている彼女がいました。考えてみたら、大学の友達たちも、ボーイフレンドが一流会社に就職が決まると、もうしっかりつかんで手放さなかった。私は、完璧に出遅れてしまいました」

 とはいうものの由美さんは、25歳の時に仕事で出会った同業者の男性と、4年間おつきあいしていました。ところが先日、破局をしてしまったのです。

「結婚の話も出ていたのですが、最後の1年、彼が関西支社に転勤になり、遠距離になってからうまくいかなくなりました。向こうでつきあう女性ができたようです。近くにいる人にはかないません。彼の気持ちは、すっかり彼女に移ってしまい、私がフラれました」

 そして、こう続けました。

「もうすぐ29歳になりますから、元彼のようないい条件の男性との結婚は難しい気がしています。高望みはしないので、大卒以上、年収600万円以上、プラスマイナス5歳までの男性で相手を見つけたいです」

「いやいや、それ、かなり高望みですよ」と申し上げたかったけれど、言葉にするのはしませんでした。

 婚活を始めてみれば、それがどのくらい高い理想だったと肌で感じると思ったからです。