成功=新境地。失敗=ミスキャスト?
カップルキャスティングの難しさ

 それでは、これらのカップルのどこが鼻について、どう違和感を感じたのでしょうか。それぞれを選んだ人のコメントを追っていきましょう。(原文ママ)

【1位『高嶺の花』峯田和伸×石原さとみ
「美女と野獣すぎて生理的に無理だった」(39歳・埼玉県)

「カップリングは単に作品内の役柄であるのは理解している。メディアに露出した部分しか判断材料は無いが、現実にこうした二人がいたとして、この二人の人生が交差する確率はかなり低そうで現実感がなかった」(29歳・茨城県)

「そもそも石原さとみが苦手なので。 峯田さんは歌っている姿が好きなので、演技はあまり見たくないです」(31歳・岐阜県)

「ちょっと違うと思った。峯田さんが癒し系なのはわかりますが、ドラマなのでワクワクするような要素が必要だと思います」(39歳・宮崎県)

「銀杏BOYZの人が俳優をやっているところを見たことがなかったので、なんとなく違和感を感じました」(28歳・大阪府)

「そういう題材のキャスティングだと思ったので」(30歳・愛知県)

【2位『トドメの接吻』山崎賢人×門脇麦】
山崎賢人はとても男前なのに、門脇麦はそんなに美人ではないから」(32歳・大阪府)

「麦さんのミステリアス感は良かったが、役の恋愛対象になるのは少しうーんと思った」(33歳・愛知県)

「キャラクターとして門脇麦さんのインパクトが弱い感じがした」(36歳・兵庫県)

「門脇麦がカップルという役柄に合わない」(31歳・東京都)

【3位『中学聖日記』岡田健史×有村架純】
「脚本のせいだけど、中学生と大人のカップリングというのがそもそも意味不明。二人が並んでいるシーンなど、違和感ありすぎて見ていられない」(34歳・千葉県)

「有村架純はどちらかといえば高校生役っぽいし、先生と生徒ほど年が離れてるようにも思えなかった」(26歳・埼玉県)

「未成年淫行で気持ち悪いと感じた」(33歳・神奈川県)

「岡田くんがどうしても中学生に見えない。大人っぽすぎて現実味が無かった」(32歳・福岡県)

「有村架純は先生に見えない」(20歳・広島県)

【4位『きみが心に棲みついた』桐谷健太×吉岡里帆】
「桐谷健太はギャグっぽいから恋愛に向かない。まったくキュンとしない」(29歳・神奈川県)

「役だけど、吉岡里帆がおどおどしすぎだった」(26歳・愛知県)

「年の差が気になります」(30歳・福岡県)

「どちらも嫌いだから」(22歳・愛媛県)

【5位『花のち晴れ~花男 Next Season~』平野紫耀×杉咲花】
「杉咲花さんのイメージが合わなかったから」(21歳・神奈川県)

「平野くんの見た目は高校生役が似合わない。学園恋愛ドラマとして観ることがどうしても出来なかった」(39歳・北海道)

「役柄と合ってない感じがする」(33歳・東京都)

「花ちゃんは華がなさすぎる」(39歳・愛知県)

【6位『大恋愛~僕を忘れる君と』ムロツヨシ×戸田恵梨香
「特に二人とも嫌いではないがムツヨロシさんがあまりにコメディのイメージが強すぎて違和感がある」(29歳・大阪府)

「組み合わせ的にはすごく面白くて良いなと思ったが、ドラマのストーリー性より面白さが勝ってしまうから」(21歳・兵庫県)

「演技が大げさに感じる」(28歳・宮城県)

「ムロツヨシは恋愛の雰囲気が合わない」(35歳・新潟県)

【7位『獣になれない私たち』松田龍平×新垣結衣】
「松田さんがあまり好きではないこともあり、第1話を観たときから違和感しかなかった」(23歳・福島県)

「とてもいい役者さんなのだけれど、雰囲気が合わず、お似合いには見えない。松田龍平の眼鏡は要らない」(35歳・京都府)

「ドラマとしては好きだが、松田龍平との組み合わせより田中圭との組み合わせの方が好きです。松田龍平の演技が気になる」(29歳・埼玉県)

【8位『明日の君がもっと好き』市原隼人×伊藤歩】
「市原隼人はヤンキーのイメージが強すぎるので……。ヤンキーっぽい女優さんと組んだらちょうどバランスが取れるかと思う」(28歳・香川県)

「市原隼人さんが実年齢よりも若く見えるからか、年の差がありすぎるように見えたため。 容姿が不釣り合いだと感じたため」(25歳・福島県)

「見た目が美しくなかったから」(33歳・大阪府)

【9位『ラブリラン』古川雄輝×中村アン】
「可愛い系、草食系の古川くんと、モデルで綺麗系、ガツガツ強そうな中村アンで合わなそうと違和感を感じました」(29歳・東京都)

「見た感じ恋人ってより姉弟に見えた」(28歳・愛知県)

「中村アンが演技ヘタだから」(36歳・大阪府)

【10位『結婚相手は抽選で』野村周平×高梨臨】
「そもそも高梨臨が好きでない。題名もおかしいし、興味がわかない」(26歳・福島県)

「高梨の大人の落ち着いた女性に対して、野村はチャラついてて似合わない」(32歳・滋賀県)

「野村周平と高梨臨のタイプが違う感じがするから」(29歳・新潟県)

 コメントを見渡してみると、まず『高嶺の花』のような格差恋愛や、『中学聖日記』のような禁断の愛など、作品そのものの設定が「不釣り合い」というイメージにつながりやすいようです。叶わぬ恋は作品のキモですが、王道ではないため、違和感を覚えやすいといえるのでしょうね。

 また、俳優や女優についたイメージが違和感の元凶であるケースも多いようです。確かに意外性のあるキャスティングは成功すれば新境地といえるのでしょうが、多かれ少なかれ違和感は覚えるもの。人気作でも同様で、絶妙さのウラにはそれなりのリスクがあるということでしょうね。

 これらの違和感を全て潰してしまうと、作品の味がなくなってしまいますし、役者のイメージも固定される結果につながりかねません。好き嫌いは当然のことながら、多少の違和感くらいだったら少し大目に見てあげることが、ドラマを最大限に楽しむコツといえそう。そうすると来年はどんな奇想天外な恋愛ドラマが生まれるのか、ちょっと楽しみになってきませんか?

<文/雛菊あんじ>