事件前日、飯干昌大さん(写真)は妻子と熊本旅行を楽しんでいた
事件前日、飯干昌大さん(写真)は妻子と熊本旅行を楽しんでいた
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 一家の遺体は検死後、親戚が引き取り火葬、6柱そろったところで葬儀となった。

 祭壇にはおのおのの遺影はなく家族が写っている小さなスナップ写真が数点と名前のない骨壺が6つ並んでいた。

「集落では通常四十九日の法要後に埋葬しますが、今回は葬儀後すぐにお墓に入れたそうです。ただし、美紀子さんと唯ちゃんの遺骨は、美紀子さんのご両親が故郷の熊本に連れて帰ったそうです」(前出の70代女性)

 事件前には、美紀子さんから年末年始の予定を聞いていたという。

「12月29日に地区の婦人会でおせち料理作りの講習会を予定していたので美紀子さんに出欠を尋ねました。すると“その日から娘(唯ちゃん)と熊本の実家に帰省するので出席できません”と言われました。お正月にはお年玉をもらえるし、おじいちゃん、おばあちゃんにも会えるし、唯ちゃんはその日を指折り数えていたはずでしょうに」(同)

 と話し、黙り込んだ。

 事件から1か月。

 飯干家の近所に住む男性は、

「正月はそれぞれの家で例年どおりに迎えると思うけど、夜神楽や忘年会など地域の一部の行事は中止になりました」

 不安を口にする人もいる。

「早く真相解明してほしい。そうでないと事件のことばかり考えてしまい、まいりそうです」(同じ集落の80代女性)

 飯干さん宅近くには献花台が設けられていた。

「拓海くんや唯ちゃんの友達らしき若い子や子どもたちがかわるがわる訪れて花を手向け、手を合わせていかれます」(前出・70代女性)

 飯干家関係者によると事件現場の住宅は「いずれ取り壊す」という話もあるという。

自宅の敷地入り口には今も黄色い規制テープが張られ、警察官が待機。捜査が続く。