ぼろは着てても心は錦、でいいという。

これが尾畠さんの戦闘スタイル
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人が見ていなければ、悪いことをして金を稼いでもいいという人たちが増えているでしょう。そこがいかんのです。金に執着したら、1円でも多く欲しゅうなるとですよ。日産の元会長のカルロス・ゴーンがそげんでしょう。50億円ですよ、50億円。年収1億円を超えたら、2億円も3億円も一緒じゃなかですか。そいでも、少しでも多く欲しくなるとですよ」

 年末の大掃除はしない。NHK紅白歌合戦も見ない。おせち料理や、お雑煮を食べることもない。初詣に行くこともない、と明かす。

「ただ、正月の箱根駅伝だけは見ますよ。アマチュアが一生懸命にやっとる姿がよくてねぇ。プロがお金のためにやっている姿は、あんまり見たくないとですよ」

「何か活動をしたほうが残る」

 必要だと思えば、お金にならないことでも喜んで力を貸す。地元の日出町立川崎小学校で12月10日、尾畠さんは“特別授業”を行った。学校側の求めに応じて、5年生の「特別活動」枠で“先生”を務めた。この日は豪雨被災時などに役立つ土のう作りを教えた。

「最初は何か話をしてもらおうと交渉したのですが、尾畠さんが“話は心に残らん。何か活動をしたほうが残る”とおっしゃるので、こういうかたちにしました。当初は45分授業の予定でしたが、大幅に盛り上がって45分も延長してしまいました。

 屋外で寒い中、不安もありましたが、子どもたちは集中して真剣に尾畠さんの話を聞いていましたし、実際に2人1組で土のうを作り、それを持って校庭を1周運んで、積んで、楽しみながらやっていました。また、ぜひやりたいです」(川崎小学校)

赤いハチマキを巻いて土のうの作り方を教える=12月10日、日出町立川崎小で

 子どもたちの目はキラキラ輝いていたという。

 最後に2019年の抱負を聞いた。

まず、沖縄県にガマというのがあって、洞窟に兵隊さんの遺骨が残っとるとですが、それを調べて収集したいですね。今年やる予定だったのが、できんかったから、来年こそはぜひやりたいですね。

 それから、いつかは定時制高校に通って勉強したいと思っとりましたので実現したい。高校は義務教育じゃないですが、勉強したいとですよ。年齢も性別も関係なかとですよ。漢字の勉強やなんから、全部やってみたいとですよ


《INTERVIEWER PROFILE》
山嵜信明 ◎やまさき・のぶあき 1959年、佐賀県生まれ。大学卒業後、業界新聞社、編集プロダクションなどを経て、'94年からフリーライター。事件・事故取材を中心にスポーツ、芸能、動物虐待などさまざまな分野で執筆している