消費される側ではなく、消費してもらう側に回りたいのは、坂口杏里さんだけでなくビジネスパーソンも同様。会社や上司、取引先やライバル企業から消費されないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。

「圧倒的な専門性」か「ハイブリッド」か

 その答えは、「圧倒的な専門性を身につける」、あるいは「ハイブリッドな人材になる」の2つ。

 前者は社内で自分に合う仕事内容やプロジェクトに就けたり、新設してもらえたりするだけでなく、社外ではヘッドハンティングの可能性も広がるなど、一定以上のイニシアティブを握ることができます。

 後者は得意分野に加え、準専門、あるいは準々専門の知識やスキル。またはコミュニケーション力、発想力、人間性、外見などの中から異なる魅力を併せ持つことで、組織内や業界内における相対的地位が上がり、さまざまなチャンスを得やすくなります。

 言わば、「ビジネスパーソンは、それなりのスペシャリストかゼネラリストにならなければ、消費される側に回らざるをえない」ということ。その意味で、まだどちらでもない坂口杏里さんは消費される側から抜け出すために、どちらかの道を選び、それに向けて努力していくことが必要なのです。

 現在のあなたはどちらでしょうか? もしどちらでもないのなら、これからどちらの道を選んで努力していくのでしょうか? 「それくらいのことはわかっている」という人もいるでしょう。

 しかし、「結局どちらの道も選べていない」というビジネスパーソンも多いだけに、坂口杏里さんの姿を反面教師にしたいところです。

「消費されるのではなく消費してもらう側になる」、もう1つの方法は、応援してもらえる人をできるだけ増やすこと。そもそも「誰かを応援する」という行為は、それを受ける人から見たら「自分に消費してもらっている」状態です。

「応援する」と「応援される」のどちらが多いかを考えたとき前者のほうが多い人は、「消費される側に回っている」という状態。ビジネスパーソンとしてステップアップしていくためには、その割合を徐々に変えていく工夫や努力が必要でしょう。