――AKB48グループを運営するAKSのマネジメントについて。 

 抱えているメンバーの人数に対して、つねにマネジャーの数が不足しているように思います(メンバー7~8人に対してマネジャー1人)。一人ひとりのケアができているとは思えません。人気メンバーや売り出したいメンバーに注力するので、それ以外は”放置”されている感じ。

運営としては新たなNGTの体制を発足させたのだが…(1月14日の緊急会見にて。松村匠・AKS運営責任者=左、早川麻衣子・NGT48劇場支配人=中央。記者撮影)
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 単なるスケジュール伝達係ですが、それすらもできていなくて、メンバーはファンから(ホームページなどに掲載された)予定を教えてもらうことだって、あるんです。メンバーがどんな悩みを抱えているのか、心を許して相談に乗ってくださるマネジャーがいたら、今回のような事件は起きなかったのではないでしょうか。

――数百倍とも言われる競争率を勝ち抜いて合格したAKBグループのメンバーが”放置”されているんですか?

(AKB48だけで100人超、国内姉妹グループ合計で約400人いる)メンバー数が多すぎなんです。受かっても、まともに育成してもらえない。だから、一部で彼氏を作ったり、ファンとつながったりと、「遊ぶ」子が出てきてしまうのだと思います。

トラブルが起きても1人で抱えてしまいがち

――CD販促の握手会や多数のSNSへの投稿など、メンバーの負担は大きいです。

 大半のメンバーはつねに一生懸命で、与えられた課題には全力で取り組んでいて、そこにかかるストレスは相当なものです。メンバー内でトラブルが起きても、まず誰に相談するべきか、メンバー自身もわかっていないと思います。自分1人で問題を抱えてしまいがち。

 マネジャーさんは異変に気づいてはいても、忙しすぎるので、気づかないふりをしていると思う。しかし、問題が大きくなってから運営が対処するのでは遅すぎるので、メンバーが何でも相談できる窓口を作ってほしい。

――では具体的にどのような対処が有効だと思いますか。

 実際、襲われたときにメンバーが、(再発防止策として全メンバーに配布する)防犯ブザーのひもを引けるのか? つねにすぐにひもを引ける状態で携帯することはできるのか? 疑問に感じますが、何もないよりはいいでしょう。しかし、結局はメンバーの一人ひとりがつねに危機感をもって行動することが、いちばん大事なことだとは思います。

――運営会社に改善してほしいことは何でしょうか。

 メンバーのメンタルケアを目的とした定期的な面談をしてほしい。かつては年1回、親との面談がありましたが、いつの間にかなくなってしまいました。外部の専門機関との連携や委託も必要かと思います。

 あるグループで、しつこいストーカー被害に遭った子がいたそうですが、結局、親御さんが警察に行ったりして、運営会社はあまり力になってくれなかったという話を聞きました。そういった点も本腰を入れてもらいたいです。

 真相究明のための第三者委員会の設置や警備体制強化が発表され、運営会社のAKSも遅ればせながら対応に乗り出したように見える。だが、48グループに子ども等身内を在籍させる多くの家族や近親者の不安は、なかなか払拭しきれていないと言っていいだろう。


竹内 一晴(たけうち かずはる)◎ジャーナリスト 1970年名古屋市生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。大手芸能事務所、CS演劇専門放送局プロデューサー、写真週刊誌専属記者等を経て2004年からフリー。報道・表現の自由、大学自治、韓国社会事情、カラオケ、アイドル等の記事を執筆。田島泰彦編『個人情報保護法と人権―プライバシーと表現の自由をどう守るか』に論稿掲載。48グループの推しメンは松井珠理奈(SKE48)、注目株は山田菜々美(AKB48・Team8)だが、全メンバーを公平に見ることをモットーとする。