過去のことをあてにしすぎてはいけない

 そんな彼が演じる主人公は、ラストに大きな“選択”をするが、神木がこの役者人生でしてきた記憶に残る選択とは――。

神木隆之介 撮影/佐藤靖彦
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実は、高校を卒業してすぐくらいに留学の話が出ました。“イギリスかアメリカがいいんじゃない”と事務所の方にもすすめていただいて。英語も話せるようになるなと、一瞬迷いましたが結局、日本に残る道を選びました。もしそこで行っていたら、ここ数年の作品は全部出てないことになる。僕にとって大切な作品ばかりだから、その選択をしてよかったなと」

 その言葉どおり、『るろうに剣心』や声の出演をした『君の名は。』など、ヒット作に恵まれ、今や映像世界に欠かせない存在に。だが、これだけのキャリアと実力があってもなお、彼の謙虚な姿勢は変わらない。

「これまで先輩たちの芝居を目の前で見てきて、勉強させてもらった時間が長いことは、すごく誇りに思います。でも、だからといって自分の価値が上がるわけではない。例えば誰かが“この人、芝居うまいよね”と言ったとしても必ず逆に思う人もいる。人によって価値観が変わる世界なので、そう思うと過去のことをあてにしすぎてはいけないなと

 今は芝居の現場に身を置けていることが幸せだと語る。そんな彼に、映画の大きなテーマでもある“運命”について聞いてみた。

運命って、だいたいは決まっていて、その主軸から大きくそれることはないのだと思います。僕もこの仕事を気づけば好きになっていたし、ある意味、これも運命だと思っています

<作品情報>
映画『フォルトゥナの瞳』
2月15日(金)全国公開
“死を目前にした人間が透けて見える”という不思議な能力を持つ青年・慎一郎(神木隆之介)。幼いころに家族を亡くし、孤独に生きてきた彼だったが、葵(有村架純)と運命的な出会いを果たし幸せな日々を過ごしていた。だが突然、葵の身体が透け始め――。