立証その2・豚もおだてりゃ木に登る

■人の可能性を信じて期待すると、期待された本人も応えようとする
─ハーバード大学 ローゼンタールの研究

 信用するなら、おだててみると効果アリ! ローゼンタールは、知能テストを行い、その結果と関係なく、各クラスの20%にあたる生徒の名前をランダムに挙げ、「この生徒たちは、知能テストの結果、急速に知的能力が伸びると予測された生徒です」と伝える、ちょっと意地悪な(!?)実験を行った。

 その8か月後に再び知能テストを行ったところ、「伸びる」と告げられた生徒たちは、そうでない生徒たちに比べ、著しく成績がアップしていたというからビックリ! 「自分にはそんな才能があるんだ!?」と思い込むことで、自分の潜在能力を解き放ってしまったというわけ。けなすよりも、ほめることが大事なのだ!

 ただし! 別の研究では、結果をほめるのではなく、プロセスをほめないと逆効果とも。「〇〇ちゃんは90点を取って偉いね」ではなく、「毎日30分欠かさず勉強した〇〇ちゃんは賢い」とほめると◎。じゃないと、木に登るどころか、“猿も木から落ちる”になってしまうかも。

立証その3・後悔先に立たず/思い立ったが吉日

■やらなかった後悔は長期にわたって、さらに大きな後悔を生み出す
─コーネル大学 ギロビッチの研究

後悔先に立たず/思い立ったが吉日
後悔先に立たず/思い立ったが吉日

 心理学者でもあるギロビッチは、「なぜ人は、判断を間違えてしまい、あいまいな信念のもと、合理的とは言いがたい行動を選択するのか」といったことをテーマに研究を行い、さまざまな形で老若男女からデータを集めた。その結果、人はやらなかったことに対する後悔をより強く覚えているということを突き止めたという。

 彼はこういった事象を「行動非行動の法則」と呼び、行動したことによる後悔と、行動しなかったことによる後悔であれば、後者の後悔のほうが大きくなるとしている。

 おまけに、ドイツの心理学者エビングハウスの研究によると「人間はやらなければならないことを後回しにするようにできている」というから恐ろしい。

 だからこそ、後回しにして後悔しないように、“思い立ったが吉日マインド”が大切。林先生の「今でしょ!」は、人間の本質を突いていたから大ブレイクしたのかも。