ユナク 撮影/佐藤靖彦

 2016年の日本人キャスト版初演が大ヒットを記録したミュージカル『プリシラ』。演出の宮本亜門さんと主演の山崎育三郎さんをはじめとするメインキャストが再び結集し現在、上演中だ。

 今作は3人のドラァグクイーンたちのドタバタ珍道中を描き世界中で大絶賛を浴びた’94 年公開のオーストラリア映画が原作。マドンナやドナ・サマーなど往年のディスコミュージックを豪華絢爛な衣装に身を包んだキャストが歌い踊るゴージャスな舞台で、最高にハッピーな気分にさせてくれる。若くエネルギッシュなゲイのアダムを演じるユナクさんに再演にかける思いなどを聞いた。

育ちゃんは歌うために生まれた日本の宝

今回、同じキャストで再演できるということがすごくうれしくて。ファンのみなさんにもっと成長した姿をお見せできるチャンスをもらえたと思いました。前回の公演で、もっとこうすればよかったと思った悔しさや反省点を見直して、もっと余裕を持ってお客さまに伝わるようにアップグレードした舞台にしたい。再演では、一緒に旅するティック(山崎育三郎)とバーナデット(陣内孝則)の状況をもっと深く理解して、彼らに対してのアダムの気持ちを大切に演じたいと思います」

 ロンドン・ウエストエンド、ブロードウェイを含む15か国以上で上演されてきた今作の魅力は何か尋ねると、

「まずティックとバーナデットとアダムの3人と一緒に旅をする感覚で楽しめる。そして、すごく派手な衣装、豪華なセット、素晴らしいアンサンブル。しかもマドンナとか誰もが聴いたことのある曲を歌って踊るので、最初から最後まですべてが見せ場だと思います。

 派手な衣装のお客様もいらっしゃるし、みなさんノリノリの気分で来るからディズニーランドのパレードみたいな感じ。キャストもテンション上がってますね。舞台裏でもみんなヒューとかフォーとか言ってますよ(笑)

 山崎育三郎さんと陣内孝則さんとの2年ぶりの共演を楽しんでいるユナクさんから見た2人の印象は─。

「年上の人について語るのはすごく難しいんですが、陣内さんはプロ中のプロという感じです。スイッチがオンになった瞬間から、もうバーナデット。仕草が変わるんですよ。舞台裏でも自然に女性っぽい感じで話してますしホントにすごいです。一緒にいて勉強になりますね。人柄は温かくて後輩に対してもすごく優しい方でよく話しかけてくださるし、美味しいご飯にも連れて行ってくださいますし(笑)。

 育ちゃんはすごくまじめだし、意外に静か(笑)。それに何より舞台人ですね。僕は彼の歌声が大好きなんですけど、やっぱり声が素晴らしい。単に歌がうまいってことではなくて、あの人は歌うために生まれた気がします。神さまから歌を聴かせてみなさんを癒すという任務を受けて生まれてきたんでしょうね。日本の宝物じゃないですか。僕はそう思います」

 宮本亜門さんのことは「積極的な演出家」だという。

亜門さんは、稽古場では座らないでずっと僕たちのそばにいます。台本を持って、どうすればもっとこのキャラクターに近づいていけるのかってことを考えて、自分がティックになったり、バーナデットになったり、アダムになったりして表現してくれるからわかりやすい。

 しかも芝居がめちゃくちゃうまい(笑)。昔ダンサーだったそうで身体の表現もすごくうまいですし。本当にすごい方なのに偉ぶるところが全くなくて、僕らと一緒にステージに立って仲間として教えてくださるんですよね」