(写真左から)飯田譲治、稲垣吾郎 撮影/森田晃博

「まず、人の心の声が聞こえるカウンセラーの男が、患者の抱えている問題を解決していくという物語を思いついたんです。さらに、寝たきりになった妻からヒントをもらうという、今までにない“バディもの”のドラマにしようと思いました」

 そう語るのは、’98年公開の『らせん』や’00年公開の『アナザヘヴン』などで知られる映画監督、小説家でもある飯田譲治氏。先月から『週刊女性』本誌でスタートした連載小説『ロストマン ロンリーハート』の原作者で、本企画の仕掛け人だ。

 稲垣吾郎をモデルに主人公を“あてがき”した異色作は、連載を開始した直後から大反響となっている。

死にかけたときに、
相手のすべてがわかってしまったら?

 稲垣が演じる主人公・新開タカオは大病院の院長の娘を妻に持つ心療内科医。仕事はテキトーにこなしながら、妻のフジコに隠れて浮気を重ねる、いわゆる“軽い男”。そんな彼のご機嫌な人生は突如、ひっくり返る。彼が浮気相手との情事の真っ最中に、フジコが倒れて、植物状態になってしまうのだ。すると、タカオにフジコからテレパシーのようにメッセージが伝わってくるようになって──。

「人間って、生きている間は誰もが隠しごとや、他人に言えないことを抱えているものです。主人公のタカオもそうで、妻のフジコはタカオのことを知っている情報だけで判断していた」(飯田氏、以下同)

 4月16日号掲載の『ロストマン』第5回では、生死をさまよった妻のフジコがこれまでのタカオの悪行を知ってしまう。

「死にかけたときに、相手のすべてがわかってしまったら、どう思うのかなと考えたんです。今さら“私をダマしていたのね! ふざけないで!”と怒ったりしないんじゃないかと。意外に受け入れてしまうような気がしたんです」

 飯田氏は以前、あるドラマの台本を書いたとき、死ぬことについてじっくり考えたことがあった。

「そのとき、自分がもう魂のような存在になってしまったら、相手を責めたりしないんじゃないかという答えにたどり着いた。これが『ロストマン』の骨子になっています」