宝塚音楽学校の入学式が先ごろ行われ、メディアで報じられた。厳しい授業で鍛えられたスターの卵たちが、数年後には必ずスターに孵化(ふか)する。卒業後は宝塚歌劇団のトップとして組を統率する逸材になるひと握りになり、さらに歌劇団を退団してからも芸能界で成功を収める女優も現れる。

 宝塚OGの大地真央(63)は、そんなひと握りの成功者だ。5月5日に東京・日生劇場で初日を迎える舞台『クイーン・エリザベス』(26日千秋楽)に主演する。

 その製作発表で、松竹の安孫子正副社長は「新しい時代を迎えての第1作になります」と期待を寄せたが、このところ舞台関係者の間でささやかれている大地への期待の声は“令和の森光子に!”だ。

ジャニーズファン対策も

「華があり、主演を張れ、観客も動員できて、演技も安定している。年齢も63歳ですから、舞台人として脂がのりはじめている。二枚目で通していますが、いろんな表情を作れるところも、演出家に高く評価されるところです」(演劇ライター)

 舞台『クイーン~』では、共演者にV6の長野博(46)とHey! Say! JUMPの高木雄也(29)を携え、

「ジャニーズファンの取り込み対策も十分」(情報番組デスク)

 稽古場で長野や高木は、大地へのリスペクトを深めているという。

「2人とも大地とは初共演です。ストレートプレイ(ミュージカル以外の演劇)2度目という高木は、大地の立ち居振る舞いやセリフ回しなどを勉強して『大人の男になりたい』とまで言っていますからね」(前出・演劇ライター)

 大地は“二枚目女優”のイメージが強く、これまでも「クレオパトラ」や「マリー・アントワネット」といった歴史上の偉大な女性たちを数多く演じてきた。その一方で、

「コメディエンヌとしてのとぼけた感じも、実はいいんです。今年2月には喜劇『夫婦漫才』も再演され好評でした。

『クイーン・エリザベス』の製作発表会見でも、衣装かと見間違うロングドレスで登壇したのですが『これ、パジャマです』ってとぼけたり、けいこ場で長野が、どうやって登場したらいいか演出家と真剣に話していたら、横から大地が『フライングで上から』って。爆笑をさらったそうですよ」(前出・演劇ライター)

 舞台『マイ・フェア・レディ』や『サウンド・オブ・ミュージック』など何度も上演されている作品もあるが、

「これさえあれば大地にとって鬼に金棒になるのは、森光子にとっての『放浪記』のような“体現作”。できれば和ものがいいですね」(前出・演劇ライター)

 舞台初日には、時代は新元号「令和」に変わっている。“令和の森光子に!”の期待に、大地はどうこたえるのか。

<取材・文/薮入うらら>