施設から犬が脱走し、近くの畑の作物を踏み荒らしたり、救急車のサイレンなどに反応する犬の鳴き声で睡眠不足になった住民もいるという。

 こうした現状に、前出のEvaなど複数の動物愛護団体が同法人を動物愛護法違反の疑いで刑事告発し、茨城県警古河署の捜査が始まった。

 告発に踏み切った非営利一般社団法人「日本動物虐待防止協会」(神奈川県)の藤村晃子代表理事は、

「3月にA氏の施設に入り、現場の撮影に成功したので、これを証拠として動物虐待を告発しました」

 と経緯を説明する。

布団と糞のミルフィーユ

 藤村さんが撮影した動画には、足の踏み場もないほど垂れ流された糞尿のなかで生活する犬や猫の姿が……。

「ケアも全くされていなかった。毛にはうんちがついたまま、体も洗ってもらえずブラッシングもされてない。爪も伸びていて肉球に刺さり、歩くのも困難な子、不衛生な環境で失明した子もいました。避妊・去勢せず雄雌一緒にケージ(檻)に入れていたので子犬もたくさん生まれていました」

保護された犬。視界を遮るほど毛は伸び、糞などがこびりついていた(読者提供)
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 特にキツかったのはにおいだという。

「マスクを3枚重ねても吐きそうなほど臭気がこもっていました」(前出・藤村さん)

 さらに、冒頭の関係者が信じられない内情を激白する。

「施設に常駐しているのはAさんだけですが、Aさんは絶対に掃除をしない。掃除はほかのスタッフ頼みなので、スタッフが来ないと糞だらけ。Aさんは床に糞がたまると布団をかぶせて隠します。その上に犬や猫がまた糞をして、たまったらまた布団をかぶせるという繰り返しでミルフィーユ状態になっていました

 当然、虫も大量発生する。

「夏場は糞や腐ったエサにウジ虫がわいて、どこもウジ虫だらけ。黒い壁と思っていたら、全部ハエだったこともありました」

 ウジ虫は犬や猫にとって脅威という。

「ある日、すごい勢いで犬が鳴くからおかしいとスタッフが病院に連れていったそうですが原因がわからない。獣医がお尻についた糞の塊に気づいて取り除くと、中からウジ虫が何匹も出てきたそうです」

 ウジ虫が犬の尻の肉を食べ、体内に侵入しようとしていたことが痛みの原因だった。