個人主義の国では身元保証人は存在しない

 では、外国ではどうなっているのか。調べてみたところ、フランス、ドイツには身元保証の制度は存在しない。

 また家を借りるとき、アメリカでは基本的に保証人なしで借りることができる。韓国でも保証人は必要なく、チョンセという前払い制度がある。

 なぜ、フランスやドイツは身元保証制度がないのか。それは、個人主義の国だからだ。個人が尊重された自己責任の国だからである。

 一方、日本はみなさんも感じているとおりに、家族単位の国だ。個人という概念がない。家族“十把一絡(じっぱひとから)げ”の国だ。家族の誰かが起こしたこと(未払い・借金・事件など)は、家族の連帯責任になる。でも、これって、おかしくないですか。成人した子どもの責任を親がとる必要はないと思うが。

 “家族は一体”という考え方がいまだにある日本なので、フランスのように個人が堂々と生きていける社会になるのには100年はかかりそうだ。

 保証人問題を、個人主義が根づいている国と、家族主義の国との違いといえば簡単に説明がつく。しかし、大家族、核家族が崩壊し、日本はこれから高齢ひとり暮らしの時代に入るというのに、このへんで変えていかないと、自分の首を絞めることになりかねない。

 永田町のほうからこんな声が聞こえてくる。

「結婚しないお前が悪いのだ! 子どもを産め!!」

 化石頭のおやじ議員がのさばっているこの国の未来は暗い。女性がもっと声をあげないと。女性議員が半分にならないとダメだわね。

 自分を保証するのは誰でもない自分だ。人の保証人になりたい人はいないし、なってはいけない。家族とはいえ他人だ。わたしは、他人の人質になって生きるのはごめんだ。うちのネコだって嫌だと言っている。


<プロフィール>
松原惇子(まつばら・じゅんこ)
1947年、埼玉県生まれ。昭和女子大学卒業後、ニューヨーク市立クイーンズカレッジ大学院にてカウンセリングで修士課程修了。39歳のとき『女が家を買うとき』(文藝春秋)で作家デビュー。3作目の『クロワッサン症候群』はベストセラーとなり流行語に。一貫して「女性ひとりの生き方」をテーマに執筆、講演活動を行っている。NPO法人SSS(スリーエス)ネットワーク代表理事。著書に『「ひとりの老後」はこわくない』(PHP研究所)、『老後ひとりぼっち』、『長生き地獄』(以上、SBクリエイティブ)など多数。最新刊は『母の老い方観察記録』(海竜社)