表でオファーしても……

芸人C「地方のショーパブとか、大手事務所に所属している芸人さんもけっこう出てて、店の告知には絶対に名前を出さないようにして出続けている人もいますよね。ショーパブとかってお客さんからおひねりもらうことも多いけど、それも闇営業なのかな(笑)。それを報告する人は誰もいないと思うけど」

芸人A「地方の闇営業でかち合うことが多いのは、圧倒的に女性の演歌歌手だよね。演歌の人は地方で顔を売るために事務所も認めてたりするし。組長とか偉いさんとデュエットしてるのよく見るよ(笑)

芸人B「闇営業のクライアントでいうと、マルチ商法とかネットワークビジネス系も多いね。よく熱海とかのホテルを借りて勧誘のパーティーをやってるよ。地方だと“吉本”っていうネームバリューが強いんだよね」

芸人A「食うために仕方ないって芸人がいっぱいいるからね。でもホントに宮迫さんとか亮さんみたいなテレビにいっぱい出て、第一線で活躍している人までやるのはどうなのって思うね。しかも嘘までついてさ」

芸人B「すぐに“すみませんでした! でも、相手のことは本当に知らなかったんです”って謝ればよかったのにね。事務所が出てきて、謹慎とかにしちゃったから、余計この話が長引いている気がする。出席した芸人さん全員ですぐに会見して謝っていれば、こんなに騒ぎは大きくならなかったと思う」

芸人C「でも、宮迫さんは稼ぎは確かに多いけど、自分で使えるお金はそんなにないんじゃないですか? お金は奥さんが管理してるだろうし、そのうえで後輩におごったりするお金も多いし。お子さんもいい学校に入れたりしてるから、お金かかりますよね。奥さんに知られずに、自分で自由になるお金がほしかったんじゃないですかね」

芸人A「だいたい吉本って、安い営業は露骨に対応遅いからね。イベント屋さんが言ってたけど、表の営業でオファーしても返答までかなり時間かかるみたいよ

芸人B「俺はフリーっていうこともあってイベントの人集めをお願いされることもよくあって。それで知り合いに“パーティーに吉本の芸人を呼びたい”ってお願いされるんだけど、正面からオファーしてもなかなか返事こないよ(笑)。吉本にとって数十万円レベルの営業なんてどうでもいいもの。仕事と思ってないから、対応も悪いし、遅い」

芸人A「毎年、NSCから芸人が入ってくるのに、マネージャーは増えないから、数人のデスクで何百、何千という若手芸人を管理してるみたいだからね。そんなの無理でしょ(笑)。仕事をお願いしている発注元がその芸人と面識がある場合は、“全然返事がないから、悪いけどほかに頼むね”って言うと、“事務所の返事を待っていたら仕事を失うから、直で受けます! 自分たちから事務所に報告しますんで!”ってケースがめちゃくちゃあるらしいよ」

芸人C「真面目な芸人さんは、きちんと事務所に報告して、ギャラも事務所を通すんだけど、事務所はその芸人が受けたギャラの額では仕事を受けないって言うから、その芸人さんと、もともと知り合いだった発注元との関係性が崩れたりする。芸人からしたらたまったもんじゃないですよね。事務所にギャラを抜かれるだけならまだしも、事務所が絡んだことで自分が築いてきた関係性まで失うなんて。こんなことがあるから闇営業が蔓延するようになるんですよ」