【Q3】のんにはじまり、ジャニーズ事務所の元SMAP3人への圧力報道など、芸能事務所のパワハラ問題が話題に。日本の芸能事務所のあり方、圧力について違和感がありますか?

 本名の能年玲奈で活動していたのんは2016年、事務所から独立。その後、テレビで見かけることは少なく、現在もほそぼそと活動している。また元SMAPの稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾はジャニーズ事務所を退所後、新事務所『新しい地図』で芸能活動を。17日、NHK総合で、公正取引委員会がテレビ出演圧力の疑いでジャニーズ事務所を注意したとの報が流れた。

 票は「違和感がある」が74%。「どちらでもない」「いいえ」がそれぞれ13%。「どちらでもない」「いいえ」の意見では「それが芸能界」といった声が大多数で、「圧力やパワハラがあるのは何も芸能界に限っていない。今の日本の社会そのものの問題ともいえる」など社会的な声もあった。

 大多数の「違和感がある」では、「直接的な圧力はないにしろ業界の慣例のようなもの、言わなくても忖度(そんたく)するというのは確かにあると思う」「のんちゃん、新しい地図ともにテレビで見ない。実力と人気があったのに違和感しかない」など。

 ほか「前々からやめたり独立したりする芸能人が干されたり、うちの事務所にさんざんお世話になりやがってと嫌がらせ、違約金払わそうとしたりパワハラしているのは知ってましたが、今回やっと公になったって感じ」「昔からまことしやかに囁(ささや)かれていたことが表面化できる時代になってきたことは喜ばしいこと」の声もあった。

 さらには「このままではYouTubeなど芸能界のしがらみや圧力の関係ないネット世界に人材が流出しそう」といった日本の芸能界やエンタメの衰退を不安視する声。また、「いま始まったことじゃないですよね。メディアも変わるときじゃないですか? 事務所だけの責任にしないでください。内々になってる周り(のメディア)も悪いでしょ」と耳が痛い言葉で、われわれメディアの変革を求める声が相当数挙がっていた。

 これらの結果からわかることは、おそらくはわれわれメディアが考えるよりもはるかに冷静に、ユーザーはこれらの事態やテーマを観察していること。また、芸能界の圧力の疑惑の根は相当深いこと。またメディアに対しても疑問をぶつける人が相当数いることだ。

 新時代『令和』──。例えば欧米では日本のような芸能事務所制ではなく、タレント本人がエージェントを雇ってマネージメントをしている。海外の事例やユーザーの声を参考に、日本の芸能界も、そしてメディアも、変わるべきときがきているのかも知れない。

(衣輪晋一/メディア研究家)