南極の氷で「オンザロック」

 温暖化はすでに他人事ではない。省エネなど、日々の生活でひとりひとりが意識を変える時期にあるのだろう。

 さて、怖い話で冷えた後は体験コーナーで実際にひんやりしよう。研究のために冷凍用コンテナに詰めて持ち帰られた、貴重な南極の氷に触ることができるのだ!

 キラキラと輝く氷の中には、通常よりも気泡が満ちているのがわかる。南極の氷は、降り積もった雪が固まってできているため、隙間には数万年前の空気と、それに伴う当時の情報が閉じ込められている。氷が解けると、パチパチと空気がはじける音が聞こえるのも特徴だ。ロマンあふれる南極の氷。これを─。

「隊員のころ、これでウイスキーをオンザロックで飲んだものです(笑)。感慨深かったですね。氷を体験したい? 観測隊の壮行会に参加できれば……、(かき氷にしたい)それは実際に南極に行くしかないね(笑)」

気泡の多さが特徴。パチパチと空気がはじける音が 撮影/渡邉智裕
気泡の多さが特徴。パチパチと空気がはじける音が 撮影/渡邉智裕
【写真】まるで学生寮のような隊員の部屋、南極に到達した雪上車

 そう、今や南極さえも“ツアー”で行ける時代。成田空港から飛行機と耐氷船を乗り継げば、極上の南極かき氷が作れるのだ! ちなみに旅費は安くて100万円前後(編集部調べ)。うん、やっぱり、この夏は南極・北極科学館でひんやりしよう~。

国立極地研究所「南極・北極科学館」
東京都立川市緑町10-3 
TEL042-512-0910
開館日:毎週火~土10:00~17:00(最終入館16:30)
休館日:日、月、祝日、年末年始、8月15日、16日入館料:無料

取材・文/山崎ますみ