沙名子に訪れる変化

 仕事とプライベートをしっかり分けたい沙名子は、太陽からのアプローチだけでなく、経理部の飲み会、後輩の誘いも断りがち。

「セリフだけ見ていると、沙名子は堅いだけの人物に見えるんです。でも、多部さんは決してアンドロイドっぽくならず、ちゃんと女性らしい柔らかい物腰を残し、絶妙の匙加減で沙名子を演じてくださっています。

 脚本を読んで堅い印象になりすぎてしまうのではと思い、中島悟監督に相談に行ったことがあるんです。でも、監督が“多部さんなら大丈夫”と。難解な金額のセリフも含め、ほとんどNGもなく、本当にすごいと思います」

 場面が変わるときにしばしば登場する、セリフの黒テロップ。沙名子は青、後輩はオレンジ、先輩は黒と、デスク周りがそれぞれのイメージカラーによって違うのは、今作らしいこだわりポイント。

 問題社員の難あり請求書の不明点を解き明かしていく1話完結型だが、物語中盤に入り、大きな変化が。

“経理の森若さん”で通っている沙名子の内面が徐々に明かされていきます。キーマンとなるのは、欠員が出ていた経理部に新たに加わる女性経理部員。この人物が沙名子の仕事、そして恋愛にも大きな変化をもたらします。

 問題社員たちの生き方や本音、そして“何事もイーブンに生きる”がモットーの沙名子の変化を、この先もお楽しみください」(管原制作統括)

沙名子ファッションが変化
 地味でまじめな沙名子だが、ファッションにはこだわりが。「沙名子に(私服で)何を着せるかはとても迷いました。“経理部の森若さん”だとブラウスにスカート、またはパンツのイメージですが、ワンピースやスカートも着ています。甘い感じにならないよう、寒色系が中心なのですが、太陽との関係が変わってくることで、テイストを変えています。ピンク系の色、女性らしいジャンパースカートや柔らかい素材を使った服装も登場します。ハッキリ変わるというより微妙な変化なので、注意深くチェックしてください(笑)」(戸谷P)