また、子どもたちを萎縮させないように、事務所としても親近感を持って子役の子どもたちと接するようにしているそうだ。

「必ず名前は、下の名前で呼ぶようにしています。そして、親御さんもオーディションの合否に一喜一憂しますから、悩みは一緒に解決する、喜びは一緒に分かち合うことを心がけています。私は各マネージャーに、“優しいマネージャー”ではなく“尊敬されるマネージャー”になってくださいと伝えています。子どもも親御さんも、私たちを見て育っていくところも多分にありますから

 かつては、安達祐実に代表されるスター子役は、何年かに1人だった。しかし、今では毎年のように才能豊かな子役が誕生している。落合さんは、「昔と今では子どもの姿も変わりました」と話す。

「スマホが普及して以降、子どもたちのコミュニケーション能力は飛躍的に向上したと痛感します。ドラマ以外でも、子役が活躍する背景には、そういった対話力の向上があると思います。裏を返すと、親の知らないところでも子どもたちは勝手に何かを身につけてしまう。子どもに対して血の通った会話やコミュニケーションを忘れないようにしてあげてください

「え!? あの人、子役だったの!」
実は芸歴が長い芸能人たち

 えなりかずきや安達祐実のように、子役のイメージが強いまま活躍し続ける芸能人がいる一方、意外に子役出身と知られていない芸能人も少なくない。

 例えば、今や日本を代表する俳優である小栗旬は、11歳のときに「児童劇団」に所属し、13歳のときに大河ドラマ『八代将軍吉宗』に出演。なんと翌年には、再び大河ドラマ『秀吉』に出演し、石田三成の幼少期という大役を演じているほど! 

 子役時代からスケールの大きい役を演じ続けているんだから、今の活躍も納得。ちなみに、奥さんの山田優も、11歳のときに沖縄アクターズスクールに合格。ほどなくして沖縄テレビでデビューしたというから夫婦ともに芸能エリートなんです。

 大河ドラマといえば、三浦春馬も12歳のときに、『武蔵 MUSASHI』で武蔵の最初の弟子として出演。ブレイクのきっかけとなった『14才の母』出演時は、16歳だった。

 同じくイケメン枠で言うなら、「劇団アカデミー」に所属し、堂本直宏の芸名で子役として舞台、ドラマなどに出演していた堂本剛も、意外に知られていない子役出身者のひとり。ジャニーズに履歴書を送らなかったら、そのままアイドルではなく俳優になっていたかも!?

 アイドルつながりで意外な子役出身者は、総選挙で1位に輝いたこともある元AKB48の大島優子もそのひとり。7歳で「セントラル子供劇団」に所属すると、『ひよこたちの天使』で芸能界デビュー。その後、『アンティーク〜西洋骨董洋菓子店〜』などに出演している。

 宮崎あおいは、中学生くらいから芸能界で目立つようになるも、4歳のときからCMや雑誌を中心に子役デビューを果たしている。海外ではジョディ・フォスターやライアン・ゴズリングなどが子役出身で大成している。


《PROFILE》
落合すみ枝さん ◎有限会社スマイルモンキー代表取締役。主に幼稚園から高校生のタレントたちが所属する芸能プロダクションとして、2003年に設立。現在、120名を超える子役・タレントが所属している。