「夫が警察に連行されました」

 学校関係者らによると、宮嶋容疑者は1987年に県に採用された。試験に複数回落ちても諦めず、20代後半で教壇に立つと一貫して小学校教師の道を歩んできた。理数系科目が得意で、県から派遣されて地元の国立大学で院生として学んだことも。共同研究で『児童の生物認識の言語報告と自由記述による比較研究』の論文を書き上げている。

 同じ教職に就く妻とのあいだには20代の男の子が2人いる。逮捕当日、同県柏崎市の自宅には複数の捜査員が訪れたといい、残された妻は「夫が警察に連行されました」と教頭に連絡している。

「あの日以降、奥さんもお子さんも自宅には帰ってきていません。奥さんが気の毒でしょうがない。ご主人(宮嶋容疑者)もふだんは素敵な旦那さんで炊事、掃除、洗濯、布団干しと率先して手伝っていました。ご家族が心配です」

 と近所の住民は話す。

 近くで暮らす実母の家庭菜園も手伝うなど家族思いだったという。

 長岡市教委は記者会見で「あってはならない事態をたいへん重く受け止めている」と謝罪。新潟県教委によると、迅速に事実調査を進め、厳正に処分する方針という。

人気はなかった(卒業アルバムより)
人気はなかった(卒業アルバムより)
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「宮本小の全児童53人に対し、担任を通じて“不安や心配はないか”などと聞き取り調査したところ、校長から何らかの被害を受けたような話をする児童はいなかった」(市教委・学校教育課)

 校長代理を務める教頭は臨時全校集会で児童に対し、

「校長先生が決まりを破った。それは許されることではないので警察で調べられている。このあと、責任を取らなくてはいけない」

 と生々しい表現を避けて低学年でもわかるように説明したという。

 事件に困惑する大人たちをよそに、同小児童は元気に挨拶するなど事件前と変わらない様子。「なんでもこい」とばかりに一線を越えた宮嶋容疑者の犯行は、醜悪すぎて反面教師にもならない。