いつも時間に追われ、ただ目の前のタスクをこなすだけの余裕のない毎日。「私、今まで何してたんだろう」、「本当にこんな日常を過ごしていていいんだろうか……」と、過去への後悔や将来に対する不安を抱いている人も多いのではないでしょうか。

 そこで、ライフスタイルコンサルタント・横田真由子さんの著書『本当に必要なことはすべて「ひとりの時間」が教えてくれる』から、質の高い時間の使い方を身につけ、自分らしく生きるための“ちょっとしたヒント”をご紹介します。

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スケジュールに少しの余白を

 人生において、かけがえのない時間を何に使うか、どう使うかは重要ですが、やはり「誰と過ごすか」で質が変わってきます。

 スケジュール表を見ながら、「気の乗らない約束を入れてしまったな」と、憂うつになってしまうことはありませんか?

 私は、「どうして、行くと言ってしまったのだろう……」と何度も後悔したことがあります。「みんなが行くと言っているからしかたない」とか、「行ったほうが〇〇さんの顔も立つから」と、無理に自分を納得させようとしているときには、必ず、不具合が生じます

 例えば、その日に限って、ずっと疎遠だった友人が上京してきて、「久しぶりに会いましょう」と連絡が来たりするのです。けれど、参加費も振り込んだし、今さらキャンセルはしづらいし……と、モンモンと悩みます。

 いつも「自分の気持ちに素直になること」「他者と正直に向き合うこと」が大切だと思っているのですが、とても難しいと感じます。状況や雰囲気を察したり、相手の顔色をうかがうことに慣れてしまい、「こうするべきでは?」と瞬時に思ってしまう自分がいます。

「〇〇しなければ」「〇〇したほうがいいのでは」というのは、自分の気持ちを修正、補正した状態です。「本当は、どうしたいの?」と、自分の率直な心の声を聞いてみることを、いつも後回しにする癖がついてしまっているのです。

 この率直な声をスルーしてしまうと、だんだんと本当の自分からズレていきます。自分の時間は自分のものなのに、気持ちに正直に時間を使えていない自分になります。

 そして、悩んだあげく、直前になってキャンセルすることになり、何だかどんよりした気持ちになります。だったら、最初から「NO」と言えばよかったと自分を責めるのです。自分の気持ちをちゃんと見つめないで、ごまかし続けていると、どんどん苦しくなります。

 これは、仕事も同じです。「私でなくてもいいのでは?」と感じているタスクや、気の進まない打ち合わせでスケジュールを埋めてしまうと、本当にやりたい仕事が入ってきたときに、入るスペースがなくなってしまっています。

 むやみやたらに詰め込まず、スペースを空けておくことで、例えば、思いがけない相手との商談チャンスや気の合う仕事仲間との交流、スキルアップのための勉強時間など、新しいものが入ってきます。