仲のよかった友人とのすれ違いも認める

 例えば、とても仲のよかった友人だとしても、会っていて「最近は何か違う」と感じるときは少し距離を置いて、様子をみるほうがいいのです。「友達だから我慢しなくちゃ」と気持ちを修正してしまうと、未来が変わってしまうこともあります。

 なぜなら、お互いの学びは終わっているのに無理してともに過ごすと、次の学びに出会うことができないからです。古い殻をかぶったままだと、生まれ変わって羽ばたくことができません。

「一緒にいた時間は楽しかったし、またあんなひとときが過ごせたら」と思って、もう一度会ってみるけど、「やっぱり違う」と感じてしまう。ふたりの間に何か事件があったわけでも、嫌いになったわけでもないけれど、ぬぐえない違和感があるならば、それをきちんと認めていくことです。

 絶え間なく時間は流れていますし、人の細胞は日々、新陳代謝を繰り返しているのですから、今の自分と友人との波長は、もう合わなくなっているのかもしれません。

 これは、恋愛関係においても同じだと言えるでしょう。相手との関係が長ければ長いほど、一緒にいるとき「もうひとりの自分」が存在するようになります。そのもうひとりの自分が成長してしまって、違う人になってしまったような感覚があり、寂しくなることがあるのです。

 そんなときは、「もうひとりの自分」の成長を認めてあげることです。このご縁での学びは終わり、卒業の時期を迎えたのです。

 昨今、例えば『Facebook』などを利用していると、機械が「この人は、友達ではないですか?」と、関係を卒業したはずの相手のプロフィールを提示してきます。SNS社会の中では、人と人とが何らかの形でつながり続け、情報も入ってきやすいですから、人間関係にも胆力が必要です。

 表面上の情報を頭でどんなにキャッチしてしまうことになったとしても、お腹の奥では、惑わされることなく、思い出とともに消化する。それは、未来のあなたのためでもあるのです。

 何かが終わることは、何かが始まっていくことですから、未来からの「ここに来てね、待ってるね」という合図なのです。過去に縛られず、惑わされず、一歩前に踏み出しましょう。

 人間関係も可視化できる世の中だからこそ、誰と太く長くつながっていくかは、お腹の奥で判断します。日本人の魂は、お腹にあるのだと思います。映画でも、外国では命を絶つ際、銃で頭を撃つシーンがありますが、日本の時代劇では『切腹』、お腹を切ります。「腹におちる」「腹をくくる」などの言葉もあるように、お腹は大事な場所です。

 頭がモヤモヤしたり、心がザワザワしたら、お腹の奥に聞いてみてください。「本当の私は、どうしたいの?」と。本当の私で生きていくことが、幸せへの近道です。

横田真由子=著『本当に必要なことはすべて「ひとりの時間」が教えてくれる』(クロスメディア・パブリッシング刊) ※画像をクリックするとアマゾンの紹介ページにジャンプします
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<プロフィール>
横田真由子(よこた・まゆこ) ◎ミニマムリッチ(R)コンサルタント/オフィスファーレ代表。株式会社ケリングジャパン(旧GUCCI JAPAN)販売スタッフとして有名人やVIP客の担当となり、3年で店長に昇格。顧客獲得数ナンバーワンとなる。VIP客の物選びに女性としての優雅な生き方を学び、独自の「大人エレガンス」を実践する契機となる。
 2004年、『オフィスファーレ』を設立。ただ使い捨てるのではなく、選んだものを大切に手入れしながら愛し抜く姿勢に真の豊かさを感じ、「上質なものを少しだけ持つ人生」=「ミニマムリッチ(R)ライフ」を提唱し、セミナー、講演、執筆活動を行う。著書に『本当に必要なものはすべて「小さなバッグ」が教えてくれる』(クロスメディア・パブリッシング)など。