お受験2.0

お受験コンシェルジュ&戦略プランナーのいとうゆりこさんが、東京都・神奈川県の小学校受験を中心に、学校説明会や幼児教室ではなかなか教えてくれないリアルな“お受験情報”を発信。小学校受験本番を迎える、幼稚園年長のお子様方に焦点を当て、保護者共々一年間どのように戦い抜いていけば良いのか各月ごとのポイントを教えてくれます!

 無事に出願も終わり、面接がはじまっている学校も多い頃かと思います。そこで10月編では、試験における面接時の注意点を中心にお話していきたいと思います。

■面接時の注意点は?

 東京近郊の小学校で面接を行なっていない代表的な私立校は、慶應幼稚舎、慶應横浜初等部、桐朋学園、桐朋小学校の4校、国立では筑波大付属、学芸大付属、横浜国立大学付属あたり。ですので、ほとんどのお受験校で面接は行われます。

 そしてこの面接は大きく2パターンに分けられます。

 親のみの“両親面接”を実施する学校と、子どもと両親の“親子面接”を実施する学校です。つまり、ほぼすべての学校で入学前に親御さんの様子を対面で確認しているということです。学校側は、直接ご家庭そのものを見極めたいと思っているんですね。

 面接で両親に問われるのは、(1)学校の教育方針をしっかり理解し賛同しているか? 家庭の教育方針と学校の教育方針が合致しているか?(2)この学校が第一志望かどうか? 入りたいという熱意があるか?(3)学費などの経済面の確認(4)モンスターペアレンツにならないか? の4点でしょう。

 質問は必ずしも直球でくるとは限りませんが、おおよそこの4点に行き着くような質問で攻めてきます。

 そこで必要となってくるのは、質問の意図を一度で理解し、学校側が求める答えをすること。これは就職活動の面接と同じですね。“たった10分程度の限られた時間に、どれだけ自己アピールができるか?”、“質問対し、上手に経験談やエピソードを織り交ぜながら答えることで相手の心を掴むことができるか?”が大切になってきます。

 学生時代に戻ったつもりで入念に質疑応答集を作って準備をしてください。

 また、面接ではお子様の長所や短所を聞かれることも多いです。

 良い子どもに思わせたいがために褒めちぎる保護者も多いそうですが、学校側は“我が子を冷静に、かつ客観的に見ているか?”、また“短所を包み隠さず正直に話しているか?”という部分を見ています。

 面接は自慢大会ではありません。“うちの子どもはこんなに凄い”、“我が家は経済力もあるので学校側にもメリットある”ということを伝えたいのであれば、言葉や表現を選んで謙虚にお伝えできるようにいたしましょう。

 そして、面接は入室時の第一印象で決まるといっても過言ではありません。

 ご自身で扉を開ける学校、扉を開けてくれる学校とがありますが、入室の際の扉は、父親が“失礼いたします”と声をかけてから開けて先頭で入り、続いてお子様、最後に母親が入って扉を閉め、全員が入室したら横一列に並び、呼吸を合わせて頭を下げる。

 終了後は“ありがとうございました”と御礼を伝え、扉に近い順に退室し、最後に退室する者がもう一度一礼してから扉を閉めるのが基本でしょう。

 読んでいるぶんには簡単な流れに見えますが、お試験本番は非常に緊張します。入退室はお教室やご家庭でしっかりと練習しておきましょう。

 緊張のあまり、お子様が面接の答えを練習通りにできない場合もあります。そんなときでも、助け舟は出さないほうが良いでしょう。また、あからさまに不機嫌な顔をしてお子様を見てもいけません。めちゃくちゃな回答を隣で子どもがしている場合でも、動じずに終始にこやかにしっかりと前を向いて、先生方のご様子を伺ってください。

 最後に、面接は願書をもとに行われていることも忘れないでください。出願した願書の内容は丸暗記しておきましょう。