盗作か、オマージュか

 確かに似ている部分が多いような気もするが、それだけで盗作だと決めつけることはできない。映画パーソナリティのコトブキツカサ氏は、今回のようにストーリーが似るケースは多いと指摘する。

「あるテーマを扱って、かぶる部分があるのは当たり前です。『スターウォーズ』シリーズは、‘58年に公開された黒澤明さんが監督を務めた映画『隠し砦の三悪人』がモチーフだと言われていますし、三谷幸喜さんが脚本を手がけたフジ系のドラマ『古畑任三郎』は、‘68年から’03年まで放送されたアメリカのサスペンス・テレビ映画『刑事コロンボ』と似ていると言われていました。

 ただ、三谷さんは『古畑』が『刑事コロンボ』のオマージュであることはほぼ認めています。彼は『刑事コロンボ』が大好きで、その作品をモチーフにどう変化させるかを考えたそうです」

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 ただ、昔はそうした類似性を咎めることは少なかったという。

まだSNSやネットが発達していなかったので、作品が似ていると思っても、仲間内で話す程度でした。しかし、いまは似ている作品を見つけると、ネットで粗を探したり、重箱の隅をつつくような言い方をします。

 私も日本の映画を見て、“ここはハリウッド映画のあの部分と似ているな”と思うことはありますが、それをネガティブにとらえるのではなく、“この部分はあの映画のオマージュなんだ”と考えます。よいエッセンスを取りあげて作品を作るのはよいことですから、楽しんで見たほうがいいと思いますよ」(コトブキ氏)

『グランメゾン』も、海外映画をモチーフにして作っているのだろうか。TBSに問い合わせたところ、

「さまざまな取材や資料をもとに制作しております。今後の展開もどうぞご期待ください」(広報部)

 ストーリーが似ているのは、単なる偶然なのか、よい部分を参考にしたのか、それとも……。