運命を共にしていくのが家族

 眞島さんが演じるのは、迫害によって家族を失い、ひとりアメリカへと亡命した青年・アラム。妻に迎えた同じアルメニア人孤児の少女・セタと、お互いの過去や違いに葛藤しながらも、真の夫婦、家族になっていく物語だ。

「この夫婦が生きている時代にどういうことがあったのか空気感も含めて知るために、アルメニア人の迫害をテーマにした2本の映画『THE PROMISE/君への誓い』と『消えた声が、その名を呼ぶ』は見ました。

 日本人にはあまりなじみがない題材かもしれませんが、今作は夫婦や家族という本当に普遍的なテーマを扱っているなと思います。役作りとしては、アラムの年齢が最初は19歳なので、見た目はそこまで変えられませんけれども、ひとりの男性の居住まいや考え方が、どう年齢を経て変化していくのかって部分の表現がいちばん興味のあるところです」

眞島秀和 撮影/森田晃博
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 ご自身が夫婦や家族にとって大切だと思うことは。

「難しいですけど、いろんな障害があったり、もちろん考え方が違ったりしても、運命をともにしていくのが家族なのかなっていうことですかね。この作品にもそれは描かれていると思います」

 妻のセタ役は、ドラマでも共演経験のある岸井ゆきのさん。

「一見、華奢に見える方ですが、とても芯の強い女性という印象があるので、頼りにしています。ご自身の中できちんと消化して演技をなさっているという骨太なイメージがありますね。今回は、僕と岸井さんの夫婦の会話劇が、納まりがよすぎないゴツゴツした形のような会話になればいいなと思っていて。きっと稽古していく中で、お互いどんどん発見があると思うので楽しみです」

 演出家・栗山民也氏とその舞台の魅力について尋ねると、

「作品に対する情熱が誰よりもある方という印象ですね。栗山さんの情熱に僕らはついていくといいますか。たくさんの演出作品を抱えていらっしゃる中で、ひとつひとつにちゃんと情熱をもってやられているというのは、すごいことだと思います。

 栗山さんの演出作品は世界観にとても奥行きを感じます。どんな題材を描いても世界が決して小さくならないところに魅力を感じて。今まで相当な数の芝居を作ってこられて、相当な数の役者さんを演出されてきたその中に、自分も入っていきたいと思っていました。今年2本も栗山さんと舞台をご一緒することができて、こんなときが来るなんてって感じですね(笑)