「子どものころは、両親が当たり前のようにそばにいたのに、大人になるとお互い仕事をしていたりして、会う機会が自然と減って。こちらから何かアクションを起こさないと、なかなか関わりがなかったりする中、家族を描いた今作に触れて、“最近、両親に会ってないな、連絡してみようかな”と思うきっかけを、この映画は作ってくれました」

それぞれの家族の形

 映画『ひとよ』で主演を務める佐藤健(30)。物語は、佐藤演じる稲村雄二ら兄妹の母親・こはる(田中裕子)が、夫であり、雄二らの父親を殺してしまった15年前の“あの日”から始まる――。

家族に対して、ポジティブな考え方をする人もいれば、今作のように“父親が嫌い”とかネガティブな考え方を持っている人もいて。でも、それはどちらも間違っていなくて、それくらい家族ってとらえ方が人それぞれ、家族の形もそれぞれだと思うんです。この映画を見たからといって、“家族とは”の答えが出るわけでないですが、僕がそうだったように、“家族に思いを馳せる”きっかけには絶対になると思っています」

 作中では、親友として知られる千鳥・ノブの相方である大悟も出演しているが、

「残念なことに撮影中、大悟さんとは会えなくて。何回も飲んだことはあるんですけど、(取材時)まだ本人は作品の完成した映像を見られていないらしく。こないだお会いしたときに“俺のシーンどうだった?”と聞かれたので、“めっちゃ面白かったです”と伝えたら“いや、シリアスな映画なのに面白いはおかしいやん!”って言っていました(笑)」