大河は撮り直しするよりも……

──沢尻さんが逮捕される少し前に、田代まさしさんが覚せい剤所持で5度目の逮捕となったニュースもありましたし、薬物断ちするのはとても大変なイメージも強いですが。

確かに一度薬物に手をだしたら恐ろしいことになるというイメージは世間にも十分植えつけられましたよね。コカインなど鼻から吸引するドラッグは直接脳に届いて変容させてしまうので、いったんドラッグの快感を知ってしまったらもう戻らないと聞いたことがあります。私は以前薬物使用の過去がある人と仕事で会ったことがあるのですが『覚醒剤は注射で入れる時、冷たくて気持ち良い』と言っていて、結局忘れられない感じに、ドラッグの恐さを知りました

──沢尻さんが出演予定だった来年の大河ドラマ『麒麟がくる』も出演シーンの再撮が決定しました。すでに10話ぶんほど収録しているなか、NHK関係者が「最悪中の最悪」と漏らしているいう報道もありましたね。

「もちろんNHKは国民が受信料を払っている手前、クレームは多いでしょうし、撮り直しになってしまうのは当然のことかもしれません。

 ただ、役者にまた同じ演技をさせたり、一度解体したセットをもう一度作り直さなければならないという制作サイドの事情を考えるに、すでに撮ってしまったシーンは“顔だけ差し替えればいいんじゃないか”とは思いましたね。VFXの技術を活かし、身体の部分は沢尻さんのままで、顔だけ代役の川口春奈さんに変えるかたちでもいいのかな、と。

 ウィル・スミスの最新映画『ジェミニマン』でもこの技術を使って27歳若返った彼を再現したといいますし、川口さんのセリフと顔の表情だけを録ってあとで沢尻さんの顔にはめるというのも可能なんじゃないでしょうか。そのほうがみなさんのストレスも少なそうですし。果たして予算がどうなるのかはわかりませんが、私がスタッフならそれを主張したいですね

──沢尻さんは今回が念願の大河初出演だったみたいで、会見で「これが本当に自分の集大成と思っています」と語ってもいました。もちろん本人に責任があるのは当然ですが、女優・沢尻エリカを惜しむ声も少なくありません。

「当時、高城さんとお付き合いをされていたとき、皆既日食をみるレイヴ・パーティに参加するために奄美大島まで行っていましたよね。今も日食はアーユルヴェーダ(インドの伝統的医学)の世界で不吉なものとして扱われており、その日はカーテンを閉めきってしまうくらいに絶対に見てはいけないものらしいです。古代から人が恐れてきたという日食・月食は直でみないほうがいいのかもしれませんね……。沢尻さんは皆既日食をみながらプロポーズを受けたといいますし。

 芸能界でもつんく♂さんが'12年にツイッターで日食について《見ない方がカラダの為》といった旨のツイートをして話題になりました。知っている人はもう知っているということなのでしょうか

'12年の「金環日食」のとき、アーユルヴェーダの専門医療機関の院長・蓮村誠先生のツイートを取り上げて日食の恐ろしさを説くつんく♂(Twitterより)
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──沢尻さんが今後、どのようにして社会復帰を果たせばいいのかについても、ワイドショーをはじめたくさん議論が行われています。「芸能界に復帰させてはいけない」といった厳しいコメントも少なくありません。

女優業以外でいえば、最近、吉川ひなのさんをはじめとしたモデルが、CBDオイル(大麻草の芽と花にある樹脂線から抽出されるもの)を使ったコスメをプロデュースしていたりしますし、沢尻さんもそちらの方向でいったら成功するのでは、と思います。ドラッグとしてではなく、大麻を合法的かつ健康的に使う方法もありますし、ご自身の美しさも活かしつつ、大麻のいい面を普及させるという活動がいいのかもしれません。

 もしくは、沢尻さんはスペインで個人事務所設立して活動拠点を移したり、現地の大麻インストラクターとも深い関係だったりと海外志向も強そうなので、国外で“大麻ソムリエ”として活躍できるの可能性も。“やっぱり〇〇産がいいよね”といったように。どちらにせよ、沢尻さんが社会復帰できる環境があることを願ってやみません」


辛酸なめ子/漫画家・コラムニスト。
東京都生まれ、埼玉県育ち。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。近著は『大人のコミュニケーション術』(光文社新書)『おしゃ修行』(双葉社)『魂活道場』(学研)、『ヌルラン』(太田出版)など。