神の再降臨が、東洋一の歓楽街に流れる風を変えた――。

 元カリスマホストでタレントの城咲仁(42)が、古巣である東京・新宿歌舞伎町の老舗ホストクラブ『愛本店』において、2019年12月の1か月間限定でホストに復帰。年の瀬でにぎわう歌舞伎町にさらなる彩りを添えた。

今の僕なんておっさんなのに

 店の前には、黒木瞳、吉田沙保里、錦野旦、杉本彩、カンニング竹山など、城咲のホスト復帰を祝う錚々たる芸能人の名前が連なり、行きかう人々の足を止めていた。

 城咲を目当てに訪れる客のおかげで、『愛本店』は連日いつも以上の賑わいを見せたという。また、忍成修吾や山咲トオルといった芸能人も訪れ、ますます華やかになったようだ。

城咲仁、期間限定でホストに復帰 撮影/矢島泰輔
城咲仁、期間限定でホストに復帰 撮影/矢島泰輔

『愛本店』の前身である『クラブ愛』では5年連続でナンバーワンを維持し、年収が1億円を超えていたことから「夜の1億円プレイヤー」と呼ばれたことも。だが2005年に突如、引退しその後はタレントとして活動をしてきた。

 そんななか、城咲の原点ともいえる『愛本店』の現店舗が、建物の老朽化のため、2020年6月をもって取り壊されることが決定。移転先は未定という。

 今回の期間限定の復帰は、まだ現店舗が現存するうちに最後の花火を打ち上げようと、城咲がひと肌脱いだ、という形だ。

 1971年創業の『愛本店』といえば、ダンスホールと生演奏のバンドを所有し、その独特な煌びやかさで国内外からも注目を浴びてきた。アメリカのファッションブランド「マークジェイコブス」が貸し切りパーティを開催したり、映画やミュージシャンのPV撮影などの依頼が引きも切らないという。

 そんな原点の場所で1か月間復帰してみて、城咲は何を思ったのか。昨今、再びホストたちが話題になることが増えたが、そのあたりについてどう感じているのか。また、今後の『愛本店』には何を望み、どう関わっていくのか。

 城咲の後輩であり、『愛本店』代表の壱さん(37)同席のもと、今の思いを聞いてみた。

――1か月間お疲れさまでした。来店したお客さまの反応は?

城咲 「会いたかった! うれしい~!」という方が大半でしたね。「これぞ本当のホスト。エンターテイナーとしてすごい」とか、「子どものころ、テレビで見ていて、いつか来てみたかった」とか言っていただきました。

 昔の指名客の方も2人ほど来てくれました。芸能界に入るとき、この世界には二度と戻って来ないと決心して、当時のお客さんたちの連絡先はすべて消去してしまっていたから、僕は待つことしかできなかったので。ネットのニュースを見て、わざわざ会いに来てくれたわけだから、本当にうれしかったですね。

 あと、同業(ホスト)のお客さんも多くて、地方から団体で来てくれました。「小中学校のときにテレビで見て、憧れてホストになったんです」という子が何人もいました。

 なかでも、子どものころから僕が好きで、源氏名を「白(しろ)咲(さき)仁(じん)」にしたという人気ホストの子が在籍している『TOPDANDY premiere』の社長さんと一緒に来てくれたんです。

 復帰のテーマが「ライバルは自分。テーマは『城咲仁 VS 城咲仁』」だったんですが、本当に「しろさきじん」がやって来たという(笑)。

 その白咲くんは本当に僕のファンだったそうで、手が震えていて思いっきり緊張していたんですよ。ちょっと感激しましたね。

 ただ、彼らにしてみたら今の僕なんて十分おっさんなのに、そのおっさんを見てカッコいい、憧れると言ってくれる。彼らが今よりもっといいホストになって、かついい男になるためにも、僕と会ったことを今後につなげてくれたらうれしいですね。