AIより『愛本店』ですよ

――故・愛田武さんといえば、『クラブ愛』を創業し、のちに歌舞伎町に日本初のホストクラブ・グループ『愛田観光グループ』を作り上げた人物(最後の肩書は会長)。城咲さんを発掘するなど経営者として辣腕をふるっていたものの、脳梗塞に倒れ、長らく闘病生活を送り、'18年10月に逝去されました。

城咲 愛田社長はおしゃべりな印象がありましたが、実際はそこまでおしゃべりではないというか、スタッフひとりひとりに細かいことを言う人ではなかったんですね。

 全体ミーティングのときに「売り上げがあげられない人はやめたほうがいい」と、ビシッと言ったりはしましたが、自分の売りは自分で気づけというタイプでした。

 あと、ホストは夢を見させたり人を癒す商売であり、ホストクラブは非日常の場所、夜のテーマパークだという信念は徹底していましたね。

 実はこの店の料金設定って、ほかのホストクラブと比べて決して高くはないんです。今回僕は、もっと高くしてもいいと思いました。有名テーマパークの入場料がそれなりにするように、この値段だから愛本店は楽しいんだ、すごいところなんだ、という認識にしてもいいのではないかな、と。

城咲仁、期間限定でホストに復帰 撮影/矢島泰輔
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 ホストが売り上げあげるのって、ある意味簡単なんですよ。いろんな手段で見境なく営業したり、色恋営業をして高いボトルをボンボン入れてもらえばいいんだから。

 でもそれって、エンターテイナーとして人を楽しませるのとはちょっと違いますよね。そして結果的に長く続かないし、トラブルも起きやすい。

 ホストの価値は売り上げじゃないと思うんです。人を楽しませたり、悩んでいる人の気持ちを楽にしてあげたり、その楽しい時間を胸に明日から頑張ろうと思わせるのがホストの仕事なんだと思う。ひとりひとりの心に寄り添うって、AIでは決してできない分野です。AIより『愛本店』ですよ(笑)。

 あと、ホストには年齢は関係ない。でも、人生の経験値というか、深みがモノを言う仕事だと思う。お客さまを楽しませるために、どれだけ人の気持ちに寄り添い、考えることができるか。

 その点は、今の『愛本店』のスタッフもすごく頑張っていると思います。スタッフをまとめている壱の力もあると思う。これからも愛田社長が作りあげた『愛本店』らしさは貫いてほしい。

 ただ、壱に言いたいのは、全員に改めて所作の研修をしたほうがいいかもね。お酒の注ぎ方とかグラスの持ち方、アイスペールの運び方、ダンスホールでのお客さまの送りの待ち方とか。結構、気になったよ。

壱さん そうですか、すみません。仁さんてあれだけ真剣に接客をしているのに、本当にいろんなところ、隅々までを見ているんですよね。さすがです。この前、全体のミーティングに出ていただいたときも、かなりピリッとして、いい刺激になってありがたかったです。

 僕は上京してからずっと『愛本店』に勤めているんですが、変化というか、世の中のニーズにあわせてある程度進化はしていったほうがいいと思っています。

 例えば、ホストにしても、以前はほぼ全員が毎日スーツとネクタイ着用でしたが、最近は金曜から日曜は、ジャケットは着るもののカジュアルな服装でもOKになっています。

 海外のお客さまも見えるようになりましたし、『愛本店』の店舗に魅力を感じてやってきてくれる方々もいる。

 6月以降の移転先でも、基本、内装は今のような感じでお願いするんですが、常にプラスアルファの方向性は考えていきたいと思っています。

 今後もぜひ、仁さんのお力は借りたいですね(笑)。

――移転後も、第2弾の復帰は?

城咲 ないですないです(笑)! でも、壱に言われるなら、いろんな形でサポートをしていきたいとは思っています。

 “神ホスト”の“神対応”を待ちたいもの!

城咲 仁(しろさき・じん)1977年生まれ。歌舞伎町ナンバーワンホストとして伝説を作ったのち、タレントに転身。ドラマやバラエティ番組で幅広く活躍している。サンミュージック所属。(https://ameblo.jp/shirosaki-jin/entry-12570346843.html