また、いつもビシッとしていて、しぐさや会話で女性をメロメロにさせる危険な魅力のある先輩たちが何人もいました。そんな先輩のしぐさや立ち振る舞いを盗み見て、どうしたらあんなに男の色気を出せるんだろう、「悪い男だな~」がほめ言葉になる男になれるんだろうと、時間があれば分析をしていました。

 とはいえ彼らと僕は違うから、僕ができること、僕ができないこと、こうしたら喜ばれた……ということを書き出して考えたりして、常に売れっ子でいられるようにいろんな努力をしていましたね。

城咲仁、期間限定でホストに復帰 撮影/矢島泰輔
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「『愛本店』をなめるな」

 ヘルプのころから、フリーのお客(指名のホストがいない客)を見つけると、違うテーブルにいながら不快に思われずにアピールする方法を考えていました。

 ナンバーワンになってからも、自分のまうしろ以外、いつも300度くらいを視野に入れているつもりでしたね。指名のお客さまと一緒にいるときも、すぐ近くを通ろうとするフリーのお客さんにもアピールしたりとか。いろいろ“技”を考えたんですよ。

壱さん 僕も2部にいて、仁さんとは2年ほど一緒にお仕事させていただいたんですが、仁さんが店内に入るだけで空気が変わるんです。店内でも歌舞伎町でも、仁さんが通ると男性も女性も振り返っていたほど。

 お客さんたちにとって仁さんは「恋人に会いに来る」というより、仁さんのふるまいや勢いを楽しみに来る感じなんです。その場の空気が一気に華やかになる。ふと手をあげたときの指先までもがかっこいいんですよ。なのに、テーブルのお客さんはもちろん、テーブルにいながら、来店したばかりのお客さんに対しても気配りができた。憧れましたね。

城咲 そのころから時代は変わったけれども、今回、復帰してみて『愛本店』のブランド力は変わっていないなと思いました。ここにお客として来るのも、ホストとして勤めるのも、かなり敷居が高い。あと、この独特の内装もどこよりも特別感がある。

 久々に戻ってきて気づいたことがあるんですが、この店って実は普通のホストクラブよりかなり店内が明るいんですね。だから、ホストとしてごまかしがきかないんですよ。所作や表情、身だしなみなどがお客さまにはっきりわかってしまう。

 僕は『愛』にしか在籍したことがないから、ほかのホストクラブにはお客としてしか行ったことはないんですが、どこのお店に行っても「うわ、暗い」と思いましたね。あと、ホストの子たちがあまりしゃべることができない。お客が僕ということがあるからかもしれないですが(笑)。

 もうね、「『愛本店』をなめるな」ですよ。お客さんもホストも、『愛本店』を選ぶだけですごいんです。このすごさを維持してほしいし、自覚をしてほしいですよ。

 その点では、この唯一無二の場所を作った愛田武社長こそがすごかったのかもしれないですね。