自分と真逆の性格の百合子

 25歳の福田だが、『スカーレット』では“13歳の百合子”から演じている。子役当時の自分と向き合うためにも、原点ともいえる作品を見直すことを決めた。

「普段は自分の作品を見直すことはないんですけど、13歳の百合子を演じるにあたり、『ラストプレゼント』を見たんです。25歳の私が13歳の女の子を演じる、というよりも、当時の自分に恥じない演技をやりたかった

 改めて見てみると、あのころ私が目指していた役者という仕事への憧れや情熱に、今でも変わりない熱量があることを再確認できました」

 意思の強さを感じさせるところは、百合子と似ているかのように思えるが、自身は“真逆”の性格だそうで……。

私は自分で人生をどう歩んでいくかを選びたい性格なので、初めは百合子がいろいろなことを我慢しているように見えたんです。でも演じているうちに“私はこう思う”という自我みたいなものがだんだんなくなっていって、私生活でもすごく生きやすくなりました。

 自分自身でいるときは、自分に意識が向いていて自我が強いタイプなんですけど、百合子でいると周りの人とか、自分以外に意識が向いている感覚があって、新しい体験でした

 役を演じるにあたり、まずは“形から入る”というが、それにあたって思わぬ支障も!?

13歳の百合子を演じる前に、裾にフリルがついているピンクのワンピースを買ったんです。百合子は劇中でもピンクの洋服をたくさん着ていて、百合子といえばピンク!と思っていたので(笑)

 13歳でいるときはとても可愛く見えたのに、百合子が成長した今は魅力を感じなくなってしまって、クローゼットの隅に眠っています……。演じるキャラクターによって、その時々で性格も変われば着る洋服も変わるくらい、役に染まっちゃって大変なんです(笑)