また、オリンピックやサッカーワールドカップではありませんが、週刊誌に限らずいくつかのメディアには、「3~4年でひと区切り(一周)」のような感覚があり、「ひと区切りした(一周回った)あとに再び狙う」のはビジネスセオリーの1つ。各誌の編集部が「2016年上半期から4年過ぎたし、そろそろまた不倫報道ラッシュで盛り上がるかもしれない」と考え、取材を強化していたとしても不思議ではないのです。

不倫報道ラッシュにつながる負のサイクル

 次に「なぜ不倫報道は連鎖するのか?」について。

 東出さんの不倫疑惑で気になるのは、「イメージを裏切った」という点で、猛烈なバッシングを受けたベッキーさんと似ていること。好感度が高い人ほど不倫疑惑によってそれが落ちる幅は大きく、人々の罵詈雑言や懲罰ムードはヒートアップし、それが本人だけで収まらず他人にも降りかかりやすい状況が生まれてしまいます。

 実際、2016年の上半期は、人々がベッキーさんに抱いた強烈な嫌悪感が、その後に不倫発覚した有名人たちにもぶつけられ、活動休止にまで追い込まれる人が続出しました。人々は消化しきれない嫌悪感をぶつける相手を探し、メディアはそれに見合うネタを差し出すという悪循環に陥ってしまうのです。

 そもそも不倫に限らず、ベッキーさんや東出さんのような活躍している有名人の転落劇はエンターテインメントとしてショーアップされやすく、「次は誰が見つかるのだろう」「いい思いをしている悪いヤツを叩きたい」などのニーズを生み、報道ラッシュの流れにつながりやすいところがあります。

 メディア側にしてみれば、ビジネスとしてのメリットが大きいネタを狙うのは当然。記者たちは不倫スクープ狙いを強化し、ネタをつかんで不倫を報じると、人々のバッシングがはじまる。また次の「不倫スクープを狙い、不倫報道し、バッシングする」というサイクルが続いてしまうのです。