蛾次郎さんに会える銀座のカラオケパブ

 心地よい下町風情に別れを告げて、次に向かったのはハイブランドが集まる銀座の街。おもちゃのデパート、博品館裏手の雑居ビル9階にあるカラオケパブ『Pabu 蛾次ママ』だ。20年ほど前に妻の和子さんがオープンし、いまは蛾次郎さんと亮太さんで切り盛りする。

 広めの店内にはテーブルとソファ、ミニステージがゆったり配置され、レトロな雰囲気で落ち着く。銀座の店というのに、1時間ウイスキー・焼酎・ポップコーン飲み食べ放題に、カラオケ無制限で3500円(税、サービス料別)と明朗会計なので、安心して出かけたい

 壁には寅さんシリーズをはじめ、蛾次郎さん出演作品の写真やポスターがズラリ。初来店の客には蛾次郎さんのサイン入り生写真が贈られる。なにより蛾次郎さん本人に会って、もしかすると寅さんの話を聞けるかもしれないのが魅力だ。

 そして、この店でぜひ味わいたいのが自称・裏メニューの『寅さんカレー』(1000円)だ。料理上手な蛾次郎さんオリジナルの薬膳カレーで、長年、寅さんの撮影現場に百何十人分を寸胴鍋で持ち込み、共演者やスタッフに振る舞ってきたという。

食べた翌日、確かに二日酔いは一切なかった(取材班が確認ずみ) 撮影/近藤陽介
食べた翌日、確かに二日酔いは一切なかった(取材班が確認ずみ) 撮影/近藤陽介

どこにもないカレーですよ身体にいいから、これを食べたら二日酔いしないんだ。渥美さんも大好きだった」

 と蛾次郎さん。地鶏のミンチに、フードプロセッサーで刻んだニンニク、ショウガに玉ねぎ、ニンジン、最高級の漢方をつけ込んだエキスなどを丸1日煮込んで作る。薬膳といってもクセはなく、香りも味もフルーティーで奥深く、トロリとした口当たり。スプーンが止まらなくなるおいしさだ

 ただし、寅さんカレーだけの注文はできない(スナック利用時のみ)。また、カレーのストックがない日もあるのでお店に行く前に問い合わせてみよう。