また、医療従事者で感染が判明した場合、病院を14日間閉鎖しなければなりません。ある意味、それも医療崩壊です。妊婦さん、心筋梗塞の患者さん、人工透析を受ける人などいろんな人が来院しますが、その方々が診察を受けられないからです」(加來教授)

 と冷静な受診を呼びかける。

 中国では先月末、国家衛生健康委員会ハイレベル専門家チーム長が、中国国内の新型コロナウイルスについて「4月末までに感染はほぼ抑制される」と言及した。封じ込めが成功していると自信を示したが、日本ではどうなのか。

「新興ウイルスなのでほとんどの人が免疫を持っていません。したがって、しばらく続く可能性があります。数年単位の長期戦です」

 加來教授はおいそれと終息しない構えと覚悟を要請する。

「感染やウイルスをなくすのではなく、持続して抑えることが大切です。感染は続くでしょうから感染者数をどんどん減らさないといけません。今は我慢です。特に今年はオリンピックの年。もし開催が失敗すれば観光立国としての将来に期待ができなくなり、海外から労働力を確保することも難しく、今後、経済や国が衰退していきます。

 不満や不安はあると思いますが、今は行政がお願いしていることをしっかり守ることです。“カラオケに行きます”“外出自粛なんて知らない”なんて言うことはやめて、しっかりここで協力をお願いします」

さらなる突然変異が起きる可能性も

 高山医師は新型インフルエンザが数年続き、季節型に落ち着いてきた歴史を踏まえ、

「新型コロナウイルスも寒い時季に流行を経験し、暖かくなるとともに発生数が減り秋に流行が始まってということを経験しながら数年がたっておさまっていくというのが思い当たるシナリオです」

 と見通す。その間のリスクコミュニケーションのとり方を次のように示す。

「正しく恐れることです。きちんと信頼できる情報源にあたって、そして自分の生活において、自分の特性、リスク、重症となっている人はどういう人なのか、ということを理解すれば、自分がどこに当てはまるのかもわかるはず。単に一般論ではなく、自分の生活においてのリスク、自分の体調や病気にリスクを当てはめることが大切です」