新型コロナウイルスの感染拡大は、テレビの世界にも影響を及ぼしている。

 話題を集めたのは、3月上旬に“無観客”で実施されたピン芸コンクールの『R-1ぐらんぷり』第18回大会。観客の笑いで空気を作れないという悪条件のもと、出場者たちは決勝大会を戦った。

無観客だと「何を言ってもウケない」

 ほかにも演芸番組『笑点』(日本テレビ系)や歌番組『うたコン』(NHK総合)、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)、さらに『VS嵐』(フジテレビ系)などが、無観客での収録や生放送の実施が相次ぐ状況だ。

「『笑点』の無観客収録を終えた春風亭昇太が、“何を言ってもウケない”とコメントするなど、通常とは異なる環境に、戸惑いを覚える演者やスタッフはいるようですね」

 と、ある芸能記者は言う。

 バラエティーや情報番組を担当する放送作家は、この状況について次のように語る。

ひな壇系のバラエティーは、いわゆる“にぎやかし”系の芸人さんやタレントさんが、お客さんに変わって空気を盛り上げてたり、大きめに反応するので、場の雰囲気自体の違和感はそれほど感じないと思います。歌番組も、もともとお客さんを入れないスタジオ収録もありますから、大丈夫なのではないでしょうか」

 では、無観客が影響する番組とは、いったいどんなものなのだろうか。 

「『R-1』もそのひとつだと思いますが、お客さんの反応込みで空気を作り上げたい、ネタ系の番組はやりづらいでしょうね。音声で笑い声を足すという手法も使えなくはないですが……」(前出・放送作家)