【70歳まで働くVS退職して年金をもらう】
→70歳まで働いたほうが断然、いい!

 定年を70歳まで延長させる「高年齢者雇用安定法」の改正案が今年の2月に閣議決定されました。これにより会社員は希望すれば70歳まではさまざまな方法で働くことができるように。

 定年後も再雇用で働いたり、あるいは起業するなどして70歳まで働き、その後は老後の年金生活となる流れに変化することは十分に考えられます。ですから、ミドル世代の方々には、今から70歳まで働く準備をすることをおすすめします

【自己投資VS貯蓄する】
→自己投資でいちばん大切なのは「方向性」!

 例えば、将来、海外に行く予定もなく、外国人相手の仕事を考えているわけでもない人が自己投資で英会話を習うのは、ほとんど意味がありません。しかし、働いている和菓子店にインバウンドで多くの外国人観光客が来店し、そのコミュニケーションのために英会話を習うことは立派な自己投資です。

 自己投資をする場合は、方向性を持ち、出費を単なる出費として終わらせないお金の使い方をすることが大切です。

◎70歳まで働きたいミドル世代の「自己投資法」実例
「日本各地の秘境巡りが趣味なのですが、そのお金を将来のために貯金したほうがいいのでしょうか」と、私のもとに相談にいらした50歳の夫婦がいらっしゃいました。私は、これからも旅行を続けることをすすめました。
 その理由は、少し考え方を変えれば将来の収入源につながるから。例えば、「摩周湖はここからの眺めがいい」とか「竹田城はこの季節に行くのがおすすめ」といった現地情報をメモしたり、写真を撮って残すようにすれば60歳までの10年間にかなりの情報がたまります。そうすれば、60歳を過ぎてから「秘境アドバイザー」として仕事ができます。
 60歳になってから秘境アドバイザーを目指すのは大変ですが、50歳から始めれば10年間も下積み経験を積むことができるのです。

生活面のコスパを高める暮らし方は?

 生活をするうえで切り離せないのが、家と車と保険のあれこれ。簡単に答えが出せないさまざまな疑問にコスパの神様が答えます。

【生命保険VS共済】
→加入するなら断然、共済がおすすめです

 例えば、「コープ共済」なら生活協同組合の組合員など、共済はその組織に属している組合員が加入者となり、それぞれがお金(掛金)を出し合って、もしもの場合に保障を提供する仕組みです。

 共済がおすすめの理由は3つあります。

 1つ目は掛け金の安さ。例えば、県民共済の場合、47歳の私が入院1日4500円、病気死亡400万円の保障に入っても月々2000円。この保障内容でここまで安い保険料はありません。

 2つ目は、商品がシンプルでわかりやすいこと。目に見えないものだからこそ、自分がきちんと把握できるシンプルな内容であることが重要です。

 3つ目は、「割戻金」です。割戻金とは、1年で集まった掛け金から余剰金を加入者に返すもの。

 共済は割戻金の割合が大きく、例えば埼玉県民共済の平成30年の割戻金は実に47・75%。都道府県民共済の場合、都道府県によって割戻金の割合は異なりますが、平均30%として月々2000円の掛け金で計算すると、7200円が割戻金となります。つまり、約3・6か月分がタダ!

【病気への備えは貯金VS保険】
→貯金があっても生きるための保険は考える!

 基本的には、十分な貯金があれば保険は不要。私たち日本人は健康保険といういちばん、コスパがいい保険にすでに入っているからです。

 ただし死んだら……ではなく生きるための保険は例外。例えば、がんになると高額な保険外治療を受けることもあります。生きてはいるもののお金がかかる場合に備えて、がん保険の選択肢もあります。また、会社員の健康保険には傷病手当金がついていますが、自営業の方にはありません。心配な方はカバーできる保険に入ってもいいでしょう。