医療従事者には約17万円の報奨が

 ドイツやフランスなどは、休業補償やフリーランスなどへの金銭的な補償が充実していることが報じられている。パリで料理学校講師を務める佐山さなえさんは、国からの補償について、

「個人事業主に対して、昨年の売り上げを12か月で割った金額の70%を補償してくれます。普段から高額の税金を支払っているので、さすがに速やかに経済対策をしてくれると満足しています」

 医療従事者やライフラインのために働く人にも特別手当が約束されたという。前出の富樫さんはこう続ける。

「ウイルスとの戦いにおいて、最前線で命をかけて戦う医療従事者たちには1500ユーロ(約17万円)の報奨。通信教育を続けている教育者、ゴミ収集労働者、スーパーのレジ担当、運送関係の労働者たちにもボーナスが支給されます」

 国民に負担を強いるかわりに、相応の補償を国が背負う。そんな対応とかけ離れた今の日本を、佐山さんと富樫さんはどう見ているのか?

「フランスでは警察や軍隊が厳しく規制をしていて、外出する人数を減少させています。日本も外出する人をもっと減らさないと、とても危険な状態だと思います」(佐山さん)

「休業のお願いが出る中で、最後までパチンコ店が営業していたのが異様でした。こういった、ちぐはぐな規制など、政府の言っていることが信じられないというのが根本的な問題かと思います。ただ、その政治家を選んだのが国民なのですから、自業自得と思われてもしかたありません」(富樫さん)